翌日――


ボンゴレ幹部達は、ボスである綱吉の部屋へと集合していた

雲雀を除いて



「一体どんな奴なのだ、極限に気になるぞ!」

「雲雀の話じゃ、かなり有能って言うがな…」

「クフフ…あの雲雀君に、そこまで言わせる方ですか」



幹部は皆、入口を見ながらそれぞれ思いを口にする


そこへノック音が響く



「どうぞ」



綱吉の返答後、雲雀が入室して来た



「…群れてる…」

「…雲雀さん…開口1番、ソレですか?」



彼の口癖に、綱吉はつい苦笑を浮かべる



「まぁ良いや…連れて来たから。ほら、入りなよ」

『はい、失礼致します』



雲雀に促され、女性らしいソプラノの声色とカツン、と靴音が響き渡った


入口付近で彼女は深々と、皆に頭を下げる

さらりと、漆黒の長髪が流れ落ちた



『この度は私めを雇用して頂き、誠にありがとうございます』



そう言うと彼女は頭を漸く上げ、皆を見る



『翠、と申します。どうぞよしなに』



柔らかな笑みを讃えた彼女に、雲雀を除く皆が息を呑んだ



艶やかな漆黒の長髪

エメラルドの様な、翠色の大きな瞳

灰色の縁の眼鏡が、何処か知的さを醸し出し

中性的な顔立ちは掘りが深く、印象的で

すらっとした細身で、女性には珍しい長身

白磁の様な肌を、纏っている漆黒のメイド服が更に際立てていた


その姿は、まるで1枚の絵画



「綱吉、前にも言ったけど…彼女の直接的上司は僕だからね」

『…雲雀様、本気だったのですか?』

「当たり前でしょ」

『…雲雀様…』



翠は浅く溜息を吐きながら、苦笑を浮かべる

2人の会話に、皆が目を丸くした


余りにも2人の会話が、ごく当たり前の様な雰囲気を醸し出しているからだ

あの、群れるのを嫌う雲雀がだ



「えと…じゃあ翠、本格的な仕事は明日からって事で良い?」

『はい。ボスが仰るのなら』



軽く目を伏せ、彼女は軽く頭を下げる



「じゃ、翠帰るよ」

『はい。ではまた明日、失礼致します』



軽くお辞儀をした翠は、慌てて雲雀を追い掛けて行った



「………こりゃ当たり引いたな」



2人が退室して、暫くした後

リボーンが口角を上げて、小さく呟いた



舞台の幕は上がった


>…ねぇ…
>ん?
>今の、何?思い切り別人だったよ?
>あぁ…別に仕事ん時、取り繕うのは普通だろ?
>…君、ギャップあり過ぎ…

11.02.28.




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