「漸くここまで漕ぎ着けたか…全く情けないぞツナ?」

「し、仕方ないだろ!」



吉日某日
その日は雲一つない真っ青な快晴で、俺の姿はチャペルにいた

今日は…僕と京子の結婚式



「あぁ…緊張してきぁ…」

「確りしやがれ、情けねぇ。それでもボンゴレ]世か?」

「それとこれとは話が別!」



立場上色々あって、手続きは先に済ませたものの。やっぱり晴れ姿は京子のご両親や良平さんに見せたくて、吉日を選んで今日に至る

というか、今更だけど京子のご両親は良く許してくれたなぁ…



「ほれ!早く嫁さん迎えに行きやがれ!」

「っ!リボーン!頼むから式の最中に銃を出すなよ!」



全く姿形は変わっても、リボーンの中身は全然変わってないや

まぁそれはそれで、良いと思う。リボーンらしくて


***


「はうわっ!京子ちゃん凄いですっ!ドレス豪華っ!」

「わー…ツナさん奮発しましたねー…これ、ブランドものですよ?」



チャペル新婦待合室
ここにウェディングドレスに身を包んだ京子の姿があった…これまた別嬪さんでなぁ、俺が男だったら花嫁かっさらってたわ

そんな京子の元にハルや凪、唯と俺が駆け付けた。つかブランドもんて…



『唯、それマジか?』

「マジですよ、翠さん。これブランドもので間違いないです!」

「ボス、張り切って、た」

『………………限度があるだろ、限度が』



ハルや唯、凪はドレス姿だが俺はスーツ。これにゃ少しだけ訳がある

このチャペル警護総合責任者が何故だか俺なんだわ…普通幹部だろ、って俺も幹部だったな



「ツッくんにも言ったんだけど…ね?」

『…無駄だった訳かい、綱吉らしい』



幹部一同は金銭的に狂ってないか、と心の奥底から思う時がある。まぁアレじゃ狂って仕方ない



『つかお前らどーなん?』

「「「へ?」」」



ハルは極寺、凪は骸と相手がいる。唯は唯で、最近ランボと良い雰囲気だし

そこんとこ気になるんだが



「わ、わ、私はとーぶん先ですょー!」

「…同じ、く…」

「てか私も?」

『いや唯、お前ランボと良い感じだったからよ。似合いなんじゃないかと』



あ、赤くなった
うぅむ…可愛い子はこんな状態でも可愛いもんだな…眼福眼福



「わ、私より翠さんはどうなんですかぁ!」

『あ?俺?』

「そうですよ!雲雀さんの右腕になったんですから、もしかして恋人にとか?」



お鉢が此方に回ってきたか
…言っていいものか?



『いや。雲雀とは籍、入れたから』

「「「「は?」」」」



実を言うと
恭弥の右腕になった時…正確にはソレを宣言された時に、指輪と渡された

アイツらしい台詞に、苦笑はしたが…つか父様と兄様をどう説得したのかが気になる

……血の雨が降らなかった事を祈る、本気で



『っと、悪ぃ。もう時間だ…京子、おめでとさん。幸せになれよ?』



そう言い残し、俺は配置場所へと向かった。その後の待合室から悲鳴が上がったのは…言うまでもない


**


ボンゴレ]世の式とありゃ、狙い目と考えるのが当然

だからこそ綱吉は今日の式を厳かに、身内のみ呼ぶ形式を取った

そして、俺に警護を懇願してきやがった…俺も式に参加したかったんだが、まぁ良いか



『さて、と』



チャペル全体に俺の死ぬ気の炎で作った薄い膜、そこに凪とマーモンと骸の霧の結界が重なる。これなら俺に何かあっても、中には被害は出ない

恭弥と哲は内部の方を担当して貰ってる



『おっ始めるか』



眼前に見えるは不貞の輩
全く懲りねぇ連中だな、あれだけノシてやったのによ



「貴様、何者だ!」

『あ?ボンゴレだよ』



ま、後から恭弥の応援が来るっーし。それまで遊んでるか



「ち、ちょっと待て…コイツまさか…」

「ボンゴレ最強の守護神っ!?」

『ごめーとー』



ったく…どっかの誰かさんのお陰で、変な渾名が着いたよ

ま、いいけど。嫌いじゃないから



『こっから先は、俺を倒してから行く事だ…

ボンゴレ本部警備総責任統括 翠…押して参るっ!』



抜刀した刃に、真っ青な空が写った気がした



Ciel!

これは空の様な真っ直ぐな人のお話


12.10.30.




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