そんなこんなで、数日後



「そうかい…そんな事があったのかい」

『話せなくてゴメン。無事に解決するまで、要らぬ心配を掛けたくなかったんだ』



俺の姿は父様の所にあった
今までの経緯を全て、報告する為に



「謝る事はない。翠は私を気遣ってくれたのだろう?」

『…………』

「こんなに誇らしい事はないよ」



全く、この養父殿は
親バカ全快も頼むから、サジ加減っーのを覚えてくれ



「これから翠はどうするんだい?」

『変わらないよ。このまま本部務めさ、ただ職務は変わるけど』

「変わる?」



そう、本部務めは変わらない
変わるのは俺の仕事だけ。立場上肩書きのある俺が本部のメイドを続ける事は、色々な意味でマズイ

そんな訳で何故か俺は、本部の守護警備隊総責任者という役職を与えられた。後ついでに幹部にも昇進



「本部の守護警備隊総責任者…凄いじゃないか」

『恐らく先の奇襲を防いだ功績が一環してると思う。後なんか知らんが恭弥の右腕にもなってた』

「おやおや」



つかマジで恭弥の右腕って聞いてねぇよ…アイツ強制的にメイド辞めさせたし、綱吉で無断で

綱吉は綱吉で元々、辞めさせるつもりだったらしく。事後承諾だね、って苦笑してたわ



「今の生活は大変かい?」

『まぁ…大変っちゃ大変か、な?何かしら騒ぎがあって落ち着かねぇけど…』



先の一件で多少ゴタついたものの、今は落ち着きを取り戻している

あの唯がまさか俺の後任として、メイドを始めたっー事には驚いたが。まぁ本人が楽しそうなので良しとするか

んな個性的なメンバーが揃えば、まぁトラブルも絶えない訳で…



「けど?」



毎度毎度騒がしく、デンジャラスな毎日を送らせて頂いておりますよ

けどそれが嫌って訳じゃねぇんだ、寧ろ…



『すげぇ楽しい』

「…そうかい」


***


「マサムネ公、貴方が大切にしていた宝は…今漸く、満開に咲き誇っておりますよ」



何時だったか、私の夢に突然現れた日系の青年。何処か変わった風貌と、雰囲気を兼ね備えた彼は言った…自分は翠の上司だと

そして今まで翠がどんな暮らしをしていたか、事細かに話してくれた。その表情は妹の安否を気遣う、兄のもので

ついつい私も、年甲斐もなく彼と話が弾んだ



「また、貴方とお会い出来る様な事があれば…今度は翠が此方でどんな生活をしたか、お話致しましょう」



雷が良く似合う青年だ、と思った。と同時に仲間を大事にする、良い瞳をするとも…彼の元で育ったから、今の翠がいる

翠が来てからというもの、目まぐるしく私達の周りは変わった。特にザンザスは、翠を妹当然に可愛がっており。その人間味は、過去からは想像もつかない

そんなザンザス達と立場はあるが、多少溝があったツナヨシ君達。だがその溝も翠の存在で、今や影すら見当たらない位だ…まぁ多少ゴタつきはあるが、それは若さ故と思っている


彼に感謝せねばなるまいな



知らずの邂逅

―…OK!楽しみにしてるぜ?


そんな楽しげな彼の声音が、聞こえた気がした


「ふふっ…約束ですぞ?」


12.10.28.




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