橙の炎が辺り一面に走る

死ぬ気の炎を灯した俺は、戦場を縦横無尽に駆け巡った


…やべぇ。完全に恭弥とザン兄の、説教コース決定じゃん

あの二人が組んだら、最強処じゃねぇ。最凶だよ…ま、仕方無ぇか



『てめぇ等、さっきの勢いはどうした?』

「くそっ!!」



次々と倒れていく連中

最早立っているのは、数える程しかいない


おいおい。あんだけ吠えておいて、こんだけかよ?

はっ!!茶番にも程があらぁ



『早々にカタを付けさせて貰う』



死ぬ気の炎を高め、拳に集める

…これ、まだつい最近使える様になったばっかりだが…良いか



『【死ぬ気の零地点突破
―ファーストエディション―】』



橙色の炎が不規則に揺れ、次第に色が変化し始めた

この技は聞きかじっただけ、実際現物を拝見した事ねぇから自信ねぇが…


炎が氷と化し、残った連中を全て氷付けにした



『極寒の氷に包まれ、魂まで凍りつけ』



これで全ての刺客は滅した筈…後は哲達の方だな


ん?視線?

………あー。この気配は綱吉達とヴァリァーの連中じゃねぇか


全部見られてた…か



『っ!?』



突然背後に感じた、闇の気配

しかもこれは…



『…婆娑羅、だと?』



…馬鹿な…この世界で婆娑羅を使えるのは、俺だけの筈

俺の属性は雷…だが感じるのは、闇の婆娑羅


以前に感じた覚えのある気配もある…



――…クスクス…



…………はっ?

ちょい待て…今の声…



――生きてる…残念



背中が粟立つ

この声を、俺は知っている


恐る恐る振り向くと、そこには驚愕の光景があった



『…何故、お前が…いる…』

――いちゃ、ダメ?

『…お前は…地下シェルターに、居た筈だろ?』



絞り出す様に俺は言葉を紡ぐ



『……



俺の眼前には…地下シェルターに避難させた筈の唯が

空中に浮いていた



ちょ、待てぇぇぇっ!?

死ぬ気の炎を使ってもねぇのに、何で浮いてやがるっ!?



『…ん?』



唯の周囲に、何か闇の様な
【もや】が視界に入る

…あれは…



『っ!!』



【もや】を見た瞬間、全てが繋がった


――唯の人格の急変

――感じた【違和感】

――急に感じた闇の婆娑羅

――唯の周囲の【もや】

――以前感じた事のある、歪んだ【気配】



『…そういう、事か…』



漸く…点と点が繋がる

拳を握り、甲高く吠えた


『貴様が黒幕かっ!明智光秀ぇ!!』




明かされた黒幕


>…ご無沙汰しております
>テメェっ!!

12.07.28.




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