《第三者視線》

綱吉達とザンザス達は、ヘリで急いで本部へと戻った


ボンゴレ守護者達と暗殺特殊部隊が共に戦えば、掃討も時間は掛からないだろう

それが会合に出席した者全てが、合意した意見だったからだ


―――だが



「こ、れは………」

「ワオッ!」



彼等が本部に辿り着く前に見た物は

屍々累々の山


その山の頂上には、メイド服を纏った翠の姿があった



《翠視点》



『…弱い…』



心底呆れるぜ

こんな弱いのに、ボンゴレ本部を落とそうとすんなよ



『よっ、と』



高く積まれたのは、全て俺が薙ぎ払った連中達

一応まだ生きてるが、どうせ虫の息だろう



「翠ちゃーん!」

『あ?』



呼ばれた方を見ると、何故か京子の姿

………ちょ、待てっ!!何でいんだ!?


目を見開いたまま、俺は京子の元へと疾走



『なんでいるっ!?』

「着替え持ってきたの」



さらりと告げながら京子が差し出したのは、俺が【こちら】に来た時に着ていた服


哲に預けてた、ヤツか…



『そうか、助かる…じゃなくて!』

「もう慣れちゃった」

『…………』



天使みてぇな笑顔で、即答したよ…このお嬢さん



『…流石、綱吉の嫁さんだよ…』

「やだっ!翠ちゃんたら!まだツッくんとは婚約中!」

『へぇへぇ…』



頬を赤く染めてる彼女の肝っ玉は半端無ぇ


普通、一般人がこんな戦場に来るか?

否。来る訳ない、寧ろ逃げ出す筈だ。なのに【慣れちゃった】ときた

こりゃ綱吉、確実に彼女の尻に引かれんぞ…



『そういや、京子。哲達の方はどうなんだ?』

「ん〜、あんまり芳しくないみたい。哲さんやハルちゃんが、頑張ってくれてるけど…」



襲撃だけなら、まだ良かったんだが


俺が奇襲を感知して、僅か数分

本部の防衛セキリュティシステムが、何者かが流したウィルスによって危機的状態に陥っていた


……襲撃犯の中に、余程の知能者が居ると見る



『メカニック達も出払っちまってるからな、痛ぇ話だ』



厄介な事に

本部のメカニック担当達全員が、今日の会合に出席していたりする


これに対応するべく
哲と情報部隊所属のハルが、防衛システムの復旧作業中だ



「それは仕方無いよ…ねぇ、翠ちゃん…」

『ん?』

「着替えるの、早いよ…」

『そか?』



話してる間に着替え終えたので、京子は目を見開いてる


実は元々メイド服の下に、薄手のシャツを着込んでた

更に言うとメイド服の上着は、先程の戦闘でかなりズタボロになったので脱いでも支障無い

んで、シャツの上に黒地の上着を羽織る。コイツは俺が最初着てたヤツ

スカートの下から、紺の袴を穿いてスカートを脱ぐ。袴の帯を締めて、得物を装備……とまぁ、こんな感じ



『それは置いといて。【下】の状況はどうなんだ?』

「…えーっと…」



【下】は言わずがな、唯の事だ


問い掛けた途端、京子は視線を泳がす

……あいつ、まだ駄々こねてんのか



『皆まで言うな、何となく察した…状況が状況だっーのに…』

「アハハ…」



苦笑いを浮かべる京子の表情に、疲労の色が見えた事は…流しておくか



『…しゃあねぇ…哲にシステム復旧最優先、て伝えろ』

「翠ちゃんは?」



京子に問われた俺は、視線を明後日へ向ける

そこには、不粋な連中達の姿が



『招かざる客の始末』



その実力、誠也



>翠強いんだな〜
>てか強過ぎだろ…

12.07.20.




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -