ある日、ボンゴレ幹部定例会議にて
「報告は以上、かな?」
「綱吉。僕から1つ、提案あるんだけど」
守護者が会する中、雲雀の声が嫌に響いた
「提案、ですか?」
「そ、提案。
本部に住み込みで人を雇う気、ないかい?」
彼の発言に、部屋に居た誰もが目を見開く
「…えっ?」
「実は数日前に小動物を拾ったんだ…これが意外と有能でね。勿論綱吉達がよければ、の話だ」
それに綱吉が素直にYes、と答えられる訳がない
彼は今、ボンゴレを纏め上げる責任あるボスなのだから
若干眉に皺を寄せながら、綱吉は雲雀へ口を開く
「……仮に、お断りしたら?」
「別に…哲の部下として働かすよ。あいつに懐いてる様だしね」
雲雀の言葉に、皆は言葉を失う
「……雲雀、そいつは有能ったな?どの位なんだ?」
伺う様に獄寺が問い掛けると、雲雀は薄く笑みを浮かべて答えた
「聞いた事は1回で覚える、同じ間違いはしない。知力・吸収力は高い、これは哲のお墨付き。多少の護身術も教えたらしいよ?」
「…雲雀さんや草壁さんがそこまで言う人なら…」
「ですが10代目っ!」
いまいち煮え切らない綱吉に、雲雀は口を再び開く
「大丈夫だよ。あの子基本的【働かざるもの、食うべからず】精神だから。雇う事になったら、まず僕達に弓を引かない」
「…言い切るな」
きっぱり断言した雲雀に、リボーンは怪しげな視線を投げる
すると彼は何故か苦笑を漏らし始めた
「実際僕の所でもね…【タダ飯喰らいは嫌だ】って今、哲の手伝いしてるよ」
「あはは、面白い子なんだな!」
「……じゃ採用で」
異世界、就職内定
>あ、言い忘れたけど。一応女だから
>……え?
>雲雀、何で一応なんだ?
>…………何でも
>(一体どんな子なんだ!?)
11.02.19.