それから俺は食事も食べず、ただ用意された自室に篭った
…俺を気遣ってか、部屋には誰も訪れてこない。来ても食事を届けてくれるルッス姉だが、彼も室内に入ってこようとはしなかった……正直感謝してる
今、俺は混乱しまくっているから…まさか自分の出生を、こんな形で知る事になるとは思いもしなかったからだ
『………そだ』
俺は不意に手荷物を漁る
それは雲雀から渡された物を捜す為
『…あった、携帯…あれ?』
パカと不慣れな手つきで携帯を開けると
不在着信 30件
雲雀 恭弥
と、表示されていた……
『……いけね。毎日連絡しろって、言われた…』
それを雲雀から聞いた時はどんだけ心配性だ、と思ったが
彼曰く【俺は雲雀の所有物だから】だそうで…
いやいや、俺さ…雲雀の物になった覚えねぇし
最近ツンデレになって来てねぇか?
(情報源、ハルと京子です by管理人)
『おわっ!?』
考えに浸ってたら、いきなり携帯が震え出した
ディスプレイには、【雲雀 恭弥】の文字が
『……ここ、か?』
いまいち使い慣れてない携帯ボタンを押して、耳に宛がってみた
『も、もしもし?』
≪…君、ようやく出たね?本部に戻ったら噛み殺すよ?≫
『スんマセンしたぁぁぁっっ!!』
低い声色の雲雀に、即答で謝る
…マジギレした雲雀は、本気で怖いんだよ…
≪全く…そっちは何もないかい?≫
『っ…おーよ、何もねぇぞ!初日から素がバレた位しかねぇな』
≪……何やってんの、君?≫
『文句なら、ベルとフランのチビsに言え!好き嫌いが多くて、ハリセンかました!』
≪…何となく納得したよ≫
『……おい』
雲雀との会話は楽しい
気兼ねなく話せるからな
≪……ねぇ、翠≫
『ん?』
≪…何か、あったでしょ?≫
『……ねぇよ』
こんな風に鋭い時もあるが…な…
≪嘘。いつもと違う≫
『何時もって何だよ』
≪声色から落ち込んでる感じがする≫
『っ!』
何でこう、こいつは鋭いんだよ……
≪……翠?≫
『……長く、なるぞ?』
≪……良いよ≫
『……馬鹿恭弥』
応援出張inヴァリアー
三日目C
>(あ…初めて雲雀の事、名前で呼んだ…)
>(初めて名前で呼ばれたのに馬鹿って…何か複雑…)
11.10.21.