獄寺がこちら側について数日が経過

リンチは変わらないが、獄寺が仲間になった事で変化が起きた



「…大丈夫か?」

『っ…悪ぃ…』



何時も傷の手当は放置していたんだが、獄寺がそれは駄目だと言い出し

幹部連中の目を盗んで、手当をしてくれる様になった


…まぁ、ハルの差し金だろうな…



「…ちっ!容赦ねぇな…」

『安心しな、これ位じゃくたばらないよ』

「いやいや。お前一応、嫁入り前だろうが」



あからさまに極寺は、溜息を漏らす

因みにこのやり取りは、何時もの事だったりする



『…まぁな、所で…

何時まで隠れてる気だ、ランボ?


「っ!」



俺が視線だけ向けた先――

柱の陰に、気まずそうなランボの姿が



「……翠」

『迷ってるなら、どちらにも付くな』

「っ!?」



きっぱりと言い切ると、ランボは目を見開く

瞳は揺らぎ、焦点が合っていない



『唯を、信じたいんだろ?』



戸惑うようにランボは頷いた

何か言いたげな獄寺を止め、俺は再び口を開く



『ランボ、お前の思いを全て吐き出せ。何を思い、考え、悩んでいるか…』



するとランボは、大粒の涙をポロポロと流し始めた



「俺…俺…皆と違って、凄い弱虫で…凄い臆病…なんだ…」

『…ちょ、マジで?』

「まぁ、な。っても、ランボもやる時はやるんだぜ」




ランボの言葉に多少の驚きを覚えた俺は、小声で獄寺に確認を取ってしまう

否…ランボだって幹部だしな…



「裏でも色々言われてて…凄い不安だったのを、唯が何度も励まして、くれて…だからさ…俺…」



成る程。ランボは自分の実力に、自信を持ててないのか…

でもコイツ、叩けば伸びるタイプの様に見受けるられんだがな



『んで?京子達と励まされた唯、どちらを信じれば良いか分からない…か?

お前は自分の目を信用出来ないのか!?』



そう言うと、泣いていたランボの涙がピタリと止まる



『お前だってボンゴレ守護者の一人だ、胸を張りやがれ!それでも自信が持てない様なら、俺が持てる様に特訓してやる!』

「……うん」



そう一括すると、ランボは憑き物が失せた様に爽やかに笑んだ



雷の不安


>ねぇ、翠
>んぁ?
>あ、あのね……お姉ちゃんって呼んで良い?
>お、おい…ランボ?
>……好きにしやがれ。その代わり、俺の素は黙ってろ
>うん!翠姉!

09.09.17.




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