カツンカツンと、靴音が響き渡る

獄寺は翠に導かれ、雲雀の施設に足を踏み入れていた



「おい…翠…ここは雲雀の施設じゃねぇか」

『申し遅れました。私の自室は、雲雀様の施設内に設けてあります』

「………は?」



彼女の直接的上司は雲雀、と言うのは幹部達も知るよしだが

流石にそれは初耳で、獄寺は目を見開いた



『獄寺様、先に注意点がございます』

「注意点?」

『一つ…何があっても、これからの事は口外しない。

一つ…これから見せる光景に、文句等は受け付けません。

宜しいでしょうか?』

「……あ、あぁ……」



翠の冷ややかな視線に、彼はただ頷くだけ

彼女はにっこりと微笑むと、とある部屋の襖を開けた



『雲雀ぃ、仲間になるかもしれねぇ奴を連れて来たぜっ!』


「……君ね、いい加減に静かに入ってきなよ」

『良いじゃねぇか、減るもんじゃない』

「そう言う問題じゃない」



翠と雲雀のやり取りに、獄寺はア然



「クフフ…獄寺君もやはり驚きますよね」

「っ!骸っ!?」

『何だ居たのか。南国果実頭』

「……相変わらず酷いですね、翠さん…」



獄寺は骸の存在に更に目を見開くが、翠は淡々と吐き捨てる



「…一体、どういう事だ…」

『言ったろ、真実を教えてやると』



呆然と立ちすくむ獄寺に、彼女は不敵に笑う



『骸、獄寺に【アレ】見せてやれ』

「はい」

「アレ?」

『…価値観が一八拾度、一変するぜ?』



***



「……マジ、かよ……」



獄寺が見た物は、本部監視カメラの映像

そこには数日前の唯と翠のやり取りが、くっきりと映っていた



「……ハル、は今…」

『雲雀に頼んで、この施設内に居るぜ。此処にアイツは入れねぇからな』

「…そう、か…」



暫く俯いていた獄寺だったが、急にこちらに振り向く

彼の瞳には【強い意志の炎】が宿っていた



「……俺も、こちら側に付く」

『後悔、しないか?』

「しねぇ!」



此処にまた1人、仲間が増えた



嵐の決断


>てかよ翠、お前…それが素か?
>そだけど?
>…ギャップ在りすぎだっつの…
>獄寺もか!雲雀も骸も言うんだよな
>>>(((いやいや、在りすぎだから!!!)))

09.09.17.




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