『………おい、これを着ろってか?』



表情が引き攣る俺に、女性三人は満面の笑み


こうなったのは、少し前に遡る



******



女性三人の買い物に、俺と雲雀が付き合う事になり

何かと物騒なので、雲雀が車を出してくれたんだよな、うん

因みに運転手は哲


街中の服を取り扱う店に入ると、VIPルームに通された

雲雀曰く、ボンゴレ御用達の店らしい


数々の服を取り扱い、中には珍しく和服まで

すると女性三人の目が怪しげに光る



「翠ちゃん、これ来てみて!」



京子が差し出したのは淡い桃色のワンピース

生地は上等で、派手でもなく地味でもなく


腰元にあしらった花柄の刺繍が、何とも良い味を出していた



『………おい、これを着ろってか?』



んで、冒頭に至る

ぶっちゃけ俺はこんなヒラヒラした服は嫌いだっ!



『……』



目を逸らした先に、黒地の服を見つけた

それも材質が上質なもので

何となく雲雀達幹部が着るスーツに似ていたが、袖が無く

艶がある生地は何処か上品なイメージを思わせた


隣には同じ生地を使ったストレートパンツと、白い半袖のワイシャツも



『……良いかこれで』



俺はそれらを引っつかむと、三人を余所に更衣室へと逃げ込んだ




「……うわぁ……」

「恰好良いですぅ〜」

「…うん…恰好良い…」



更衣室から出て来た俺を、三人は呆ける様に見ている

雲雀も目を瞬かせていた



「ワオ、何処のマフィアかと思ったよ」

『雲雀、てめぇ…』



俺は適当に動きやすい私服を選んで、会計を頼む

因みに色は黒か濃青しか選んでねぇ


その後も三人と買い物を続け、終わる頃には夕暮れになっていた



穏やかな時


>しかし見事に…女らしい服が1着もないね
>動きやすい服が良いんだよ
>……一応君、女性でしょ?
>一応、な
>(後で哲に女物の服、用意させよう…)

11.08.27.




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