最近俺は仕事をこなしつつ、脳内で【例の計画】を練る
唯は活発な動きは見せていない…多分これからだろう
今は嵐の前の静けさって奴だ
『っ!』
刹那
針を刺す様な、膨大な殺気が膨れ上がる
しかもソレは、俺に向けられていて
「……案外、鈍くはねぇんだな」
背後を振り向くと、そこには黒帽子を被った男性の姿
黒革靴に黒スーツ、黒ネクタイと黒ずくめの彼
その手中には小柄な拳銃が握られている
『…リボーン様』
「てめぇは何者だ」
突き放す様な、冷え冷えとした声色
視線は鋭く、殺気を含んでいた
「ボンゴレの諜報部を持ってしても、てめぇの素性が割れなかった。…一体何が目的で、ボンゴレに侵入しやがった?」
ガリとリボーンは俺の額に、拳銃の銃口を突き付ける
…そら調べても、見つからないわな…
『…何を仰っておいでですか?』
「どうやって雲雀を落とした?色気で落としたか?」
……表面上、何もない様に取り繕っているが……マジでキレて良いか?
「リボーン!何してんだよっ!」
それを止めたのは、我等がボス・綱吉
「ちっ!ダメツナ、邪魔すんな」
「リボーンっ!」
え、と…ボンゴレボスにダメツナって言うの…良いのか?
普通言わんだろ?こいつ等の関係って…
「何で翠に銃を向けてんだよっ!?」
「うるせぇ、ダメツナ。こいつの素性が分からねぇ以上、白状させるしかねぇだろ?雲雀が色気で落とされた可能性が無くもない」
いや、だからな…
あの雲雀が色気で落ちたら苦労はしねぇ!雲雀の好き嫌いや、自由奔放さは半端じゃねぇんだからな!!
すると途端に二人は、俺に振り向いた
しかも何か同情っぽい視線で
「と、とにかく…翠は仕事に戻って良いから」
『は、はい…失礼します』
疑心を失えず
>…翠…雲雀さんの世話で、よっぽど苦労してるんだなぁ…
>…だな…しかし、素はかなり口調荒いな…
>…そう、だね…
11.06.01.