『お迎えに上がりました、京子お嬢様』
「翠さん!」
事前に京子に伝えておいた時間に、彼女の部屋へと迎えに行った
おいおい…こりゃあ予想以上にこの件、かなり深刻だぞ…
『京子様、お待たせ致しました』
「ううん、そんな事ないよ!時間ピッタリ!」
京子はそう言うと部屋の中に居る、該当者に視線を移す
そこには京子と多分同い年位の、女性二人の姿があった
『京子様…そちらの方々も、でしょうか?』
「……うん」
俯いて頷く京子…厄介だなマジで…
『ボンゴレ本部にて、住み込みメイドを勤めさせて頂いております。翠とお呼び下さい』
「はひ!ツナさんから、お話はお聞きしてます!私は諜報部に配属してます、三浦 ハルです!」
「私は…クローム髑髏、医療事務員です」
クローム髑髏
確か元・霧の守護者で、幹部の骸と並ぶボンゴレの術者だったな
戦わせたくない一心で、骸とボスが裏で手を回して、本部の医療事務員にしたとか何とか…
術者としての腕前は、かなりのものらしい
三浦 ハル
元・一般人だったが、幹部達との関係がきっかけでボンゴレに入ったらしい
危険な事はさせたくないボスが、渋々彼女を諜報部に配属
が。実はソッチ方面の才能があったらしく、今や幹部にかなり近い位置にいるとか…
『では皆様、こちらへ』
そう言って俺は三人を、雲雀の施設へと案内した
***
「……翠、さん?」
『何でしょうか?』
「あ、あの…ここって雲雀さんの…」
雲雀の施設に足を踏み入れた所で、三人の表情は険しいものに変わる
『大丈夫ですよ』
「で、でもっ!?」
『私の直接的上司はボスではなく、雲雀様ですので』
「ハヒッ!?」
まぁ、そりゃ驚くわな
普通上司っーたら、ボスの綱吉なんだから
和風の通路を歩き、ある一室で俺は足を止めた
『お嬢様方にお一つ、申しておきます…これから見るモノは、一切口外しないで下さい』
不敵に笑って見せると、三人はコクコクと頷く
『ありがとうございます、では…』
三人の了承を得た俺は、穏やかに笑む
そしてスパンと小気味よい音を経て、眼前の扉が開かれる
『おい!雲雀ぃ!連れて来たぞっ!!』
「…五月蝿いよ」
『態とに決まってんだろ、相変わらず冗談の分からん奴』
何時も通りの対応をしてっと、三人は目を見開いて固まっていた
まぁ仕方ねぇっちゃ、仕方ねぇ
『さぁ、始めようか?』
闇に埋もれた真実
>気にしない方が良いよ、翠はこっちが素だから
>…少々、口調が荒いですが…
>余計なお世話だ、コノヤロー
11.04.23.