『っ!』
「どうした?」
『いえ…(悪寒が…)』
只今、獄寺から本部内を案内して貰っている
てかよ…無駄に広過ぎだろ!
「まぁ、大体こんなもんだろ…大丈夫か?」
『はい。必要経路その他諸々、これで大丈夫です』
そう言うと何故か獄寺は、安堵の息を吐いた
「はぁ…お前が物覚え良くて、本当に助かるぜ…」
『……唯様、ですか?』
「おう……あいつ、何度教えても覚えようとしやしねぇ…」
遠くを見つめる獄寺は、何処か哀愁さえ漂う始末
…居候の分際で、よくもまぁここまで出来るな
ある意味尊敬するぜ
とりあえず、話題変えてやっか
『獄寺様、次はどう致しますか?』
「あ?ん、そうだな……後は飯か?」
『はい?』
彼の突拍子な言葉に、目を見開いてしまう
「あ、悪ぃ悪ぃ。1番厄介なのが食事って事だ」
『…仕事で不在、とかですか?』
獄寺は俺の問いに、視線を逸らして答えた
「いや…好き嫌いが多い幹部連中なんだ」
『……………は?』
彼の返答に、つい素が出ちまったよ
ちょ…待てぇ!良い歳した大人が好き嫌いって何だよ!?
「味の好みとかも、てんでバラバラでな。1番酷ぇのが唯だ…アイツの好き嫌いは半端ねぇ」
『…そらチビで子供体型になるわ…』
「何か言ったか?」
『いえ!では気をつけないといけませんね…』
「食事作る時は出来るだけ、俺も手伝うからな」
『ありがとうございます、獄寺様』
世界は不安定で
>(疑われて当然なんだ、監視は付くわな…)
>(…怪しい…)
11.03.12.