土方の唐突な言葉に、思わず##name_1##は目を瞬く
『桜、ねぇ…俺よか、お前の方が似合うと思うがな』
「俺に?」
『お前の方が似合いだよ、誠の【武士】の象徴だろ…桜は』
潔く散る様を生き様に例え、家紋を桜に変える武士も少なくない
だが寧ろ土方の場合は、理想を追い続ける生き様の様
『桜吹雪に埋もれたって違和感ねぇぜ、きっと』
「…どこの歌舞伎役者だよ、それ…。お前にも、桜は似合う」
ゆっくりと土方は##name_1##の頬に手を伸ばす
そして優しく撫でる
「桜の精みてぇに見えたぜ、俺には」
『……言ってて、恥ずかしくないか?』
「るせぇ」
頬を赤く染めて、土方はそっぽを向く
一瞬、##name_1##は眉を潜める
『(……持ってくれ)』
不意に桜の平原に、強風が吹き抜けた
その風に吹き上げられ、桜の花弁がはらりはらりと舞い降りる
――…そして
「やはり、生きていたな」
いつの間にか、彼はそこに居た
真っ直ぐに土方を見詰め、心底愉快そうに笑む
『…オイ、千景。何でテメェがここにいやがる?まさか…』
ピキリと##name_1##の青筋が立つ
すると風間は慌てて、口を開く
「決着をつけに来ただけだ!」
確かに宇都宮城で風間は、退却する際に再戦を告げている
恐らく今回はそれを果たすべく、参上したのだろう
『ほぉ…無断でか?』
「天霧の許可は貰っている!何も命まで取るとは言わん!!」
「…何だと?」
『どういうこっちゃ?』
彼の発した言葉に、土方は表情を顰める
それは隣にいた##name_1##も同様だった
「………貴様と決着をつける条件が、互いに殺生しない事……と言われいるのだ」
『……天霧か、天霧だな』
どこか不機嫌そうに、風間は視線を逸らす
風間にそんな条件を突き付けられるのは、天霧しかいないだろう
『(…天霧に頭が上がらねーでやんの。オトン最強じゃね?)』
口元を引き攣らせる##name_1##は、脳裏に彼の説教を思い出して身震いする
どうやら天霧のオトン力は、種族問わず有効の様だ
余りにも記憶と違う風間に、土方は表情を引き攣らせる
「お前、性格変わってねぇか?」
「ぐっ!!ど、独眼竜と関わった鬼は、粗方変わっておるわっ!!」
図星の様に叫ぶ彼の台詞に、土方は隣を訝しげに見た
「……何した?」
『会津でちょっち…ん?て事は…お前、はぐれ鬼じゃねぇの?』
「違う」
##name_1##の問い掛けるに風間は即答で返す
「これから俺は、成すべき事がある。だがその前に、貴様との決着をつけたいのだ。それだけが俺の、唯一の心残りなのでな」
「……お前」
それは彼なりの、土方を評価する言葉にも捉えられ
土方は軽く目を見張る
「今の全てを賭け、貴様に挑む。受けるか、否か」
風間の挑戦的な視線に、土方は不敵に笑む
「断る理由がねぇよ…止めんなよ、##name_3##」
『止める理由がねぇよ。命のやり取りしねぇなら、寧ろやれ』
「……お前なぁ」
彼女の意外な発言に土方は呆れるが、風間は口元を上げて笑う
「ふっ…独眼竜なら、そう言ってくれると思っていた」
目を軽く瞬かせ、土方は再度##name_1##へ見やる
「…本当にお前、何したんだ?風間の性格変わり過ぎだぞ…」
『あ、あはは…(ここまで豹変するとは…)』
mae tugi
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