「熱なんか無いさ。この旗が折れてしまわない限り、僕らも負けない様な気がするんだ」
新撰組の旗と共にあれば、戦い続けられる
旗を掲げたその意味を、知っているからこそ
「僕はあちこちの戦で負け続けてるけど、信じる心は最後まで折りたくないからね」
そう微笑む大鳥に対し、土方は少しだけ目を細めた
『おいおい、正気か?大鳥…どーすんだ、局長?』
「ったく…陸軍奉行が縁起を担ぐのかよ?しっかりしてくれ、大鳥さん」
咎める様な言い方をしてはいるが、土方の表情には淡い笑みが
気付けばいつの間にか、周囲は笑みで囲まれていた
土方と大鳥。二人が言葉を交わすだけで、心が通い合う様な雰囲気
「弁天台場を頼む」
土方は静かに笑むと、踵を返して歩み始める
『くたばんなよ?』
##name_1##もまた上着を翻し、歩み始めた
「##name_1##副長!局長を、お願いします…」
「##name_4##姉!兄ちゃんを見ててよ!!」
背後から二つの声が掛かる
彼女が振り向くと、島田と平助が真剣な眼差しで見詰めていた
『んな事、任せられても困る』
恐らくこの二人もまた、ここで死ぬ気なのだ
だからこそ、##name_1##に託している
『戦が台場で終わるなんて、誰が決めた?この戦がいつ終わるかなんぞ、誰にも分からん。それは俺にもな』
「まぁ…それは…」
「確かにそうだけど…」
##name_1##の鋭い眼光に押され、二人はしどろもどろに頷く
『つか、てめぇら。俺が再三、口酸っぱく言っとる事をまさか忘れたんか?』
「「っ!!」」
それは彼女の筋としているもの
『忘れちまったか?ならもう一度言ってやる
"足掻いて藻掻いて、自分から生きる事を諦めるな!這いつくばっても生きて、命を未来(あす)へと繋げ!"
…無駄死になんぞ、俺は許さんからな?』
不敵に笑う彼女に、二人は目を瞬かせる
そして島田は大らかに、平助は満面の笑みで笑った
「姉ちゃんには叶わねぇな…分かった!絶対に生きて帰るよ!!」
「俺も約束します。あの人を支える為、頑張って生きます!!」
二人の答えを聞き、##name_1##は視線を大鳥に向ける
『【誠】の旗を掲げる以上、大鳥もそれを忘れんなよ?』
「ああ、分かったよ」
苦笑地味た笑みを浮かべる大鳥を見た##name_1##は、台場の縁に足を掛けた
そして大きく息を吸って、口を開く
『弁天台場に居る全ての者に告げる!決して死に急ぐな、生きて帰れ!!』
彼女の凛とした声音は、台場に響き渡った
託す想い、託された信念 完
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少し弄りました
11.10.12.
mae tugi
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