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子供を諭すかの様な柔らかな土方の口調

対して##name_1##の口調は、苦笑地味たからかいを含んでいる



「だから、今は一杯だけで我慢してくれ。戦いが終われば、浴びる程飲ませてやるよ」

『ついでに食いきれねぇ程のご馳走もな』

「我慢なんて、とんでもないです!」

「また酒にありつく為にも、戦が終わる様に全力を尽くします!」



兵達は笑いながら頷く



「##name_1##医療奉行!ご馳走とは手作りでしょうか!?」

『応よ。俺が振る舞っちゃる』

「楽しみにしろ?##name_1##の作る飯は本気で美味いぞ、料亭並でお袋の味だ」

「うおぉぉ!!##name_1##医療奉行最高っ!!」

『Tension高っ』



死ぬかもしれない大戦

今は誰もが、気を張り詰めている


しかし不思議な事に…二人が声を掛ける事で、その気持ちが楽になる様だ



二人は彼等から離れ、少し開いた場所へと歩む



『どんだけ?』

「一杯しか呑んでねぇよ、お前もだろ?」

『まぁな』

「あいつらは、息子みたいなもんだ」



彼等は新撰組の掲げる旗の下に集った



『分からねぇ気はしないな』



新撰組の理想とするものを、自身の志として胸に抱いている



「俺に出来る事は、もう残り少ねぇんだ。せめて酒位、振る舞ってやりてぇ…お前もそうだろ?」

『まね。後、凍傷防止と体温上昇の為にも』



二股口は、新政府軍の進軍を防ぐ

敵の戦力の増加、こちらの爆薬切れ等々…今の均衡状況が崩れたら、お仕舞いなのだ



「流石医療奉行、ってか」

『るせぇよ』



だが誰一人、土方や##name_1##を疑う事なく、その指示に従って戦っている

――…だからこそ二人は…



『…伝わってるよ、トシの想い』

「お前のも、な」



お互いに微笑みながら、満天の星空を見上げる



『(……いや、まさかな)』



##name_1##は内心呟きながら、片手を押さえていた



雪融け 完


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妙に不完全燃焼…


11.10.09.


mae tugi