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冗談めかして土方が軽口を叩くと、大鳥も昔を思い出すかの様に口元が緩む

それに##name_1##は表情を顰める



『お掛けで俺は板挟み食らったがな』



彼女の言葉に、男性二人は苦笑を漏らした


実際出会って間もない頃の土方と大鳥は、衝突が絶えず

その都度##name_1##が間に入り、止めていた。その苦労はどれ程か…



「生まれがどうこうと言う問題じゃない。大切なのは【気持ち】の方だよ」



熱弁を振るう大鳥の言葉に、二人は静かに耳を傾ける




「僕達は自分が信じるものの為に、戦う道を選び取った。自らの足で歩んで来た道の先が、今に続いていたと言うだけの話さ」



彼もまた、部下に好かれる人柄の人間

土方や##name_1##同様に

すると土方は、柔らかな笑みを浮かべて応える



「俺達の志は、絶対に折れない。死力を尽くして、最後まで挑み続ける」


安堵した様に、大鳥は目を細める

そこに黙していた##name_1##が割って入った



『とどのつまり。てめぇの道を貫き通し、生きれば良いだけだ』

「…そんな、見も蓋も無い…」



唐突な彼女の言葉に大鳥は勿論、土方も口元を引き攣らせる

だがそんな二人に対し、##name_1##は淡々と続けた



『人間くたばったら仕舞いだ、それは誰にも平等に与えられる。
死ぬ気なんて誰にでも出来る、だが明日に命を繋ぐ事は早々に出来ないだろう?』

「そういや、お前の口癖だったな」

「口癖?」




「『"足掻いて藻掻いて、自分から生きる事を諦めるな!

這いつくばっても生きて、命を未来(あす)へと繋げ!"』」



それを聞いた大鳥は、目を瞬きさせて固まる



「すげぇだろ?」

『そりゃどんな意味でだ、こら』

「……うん、凄い。僕も覚えておくよ」



薄く笑みを浮かべ、大鳥は頷く

彼の瞳により強い意思の光が宿っているのは、言わずがな



「そうしとけ」

「……邪魔したね」



小さく笑いながら、大鳥は部屋を後にした



「##name_3##、蝦夷の地理は把握してるか?」

『大体って所かな?』


mae tugi