彼の後方で、沖田の吐血した音が響く
『まだ戦える…とか、ほざいたら殴りますからね?組長』
直ぐ様沖田の元に駆け寄った青葉は、溜め息混じりで呟く
勿論沖田の傷を、手際良く診ながらだ
「それは嫌だなぁ…それにしても、君強いね?」
『…たまたま、ですよ』
「…嘘、だぁ…」
そう言い残すと、沖田は意識を失ってしまう
すると彼は重く溜め息を漏らす
『…沖田、重そう…』
青葉が沖田と共に一階に下りると
斎藤・原田隊が既に到着し、全てを鎮圧した後だった
それを確認した青葉は、怪我人の処置を施していく
全て終わった彼は、一人屯所に戻った
青葉は隊士としての扱いだが、まだ正式な隊士として配属になってないからだ
*****
――長い夜が明けた――
浪士七名討ち取り、浪士四名に手傷を負わせた今回の大捕物
後に池田屋事変と呼ばれる様になる
しかし新選組の痛手も、また深い
沖田は頭部に一撃を食らい、気絶
平助は額の傷が深い、新八も手を負傷
平隊士二名が命に関わる程の手傷を負い、重傷隊士一名
だが幸運な事に、死者が零
これは青葉の功績と言っても良い
特に重傷隊士は応急処置が遅れていたら、戦死していた…と、医者から言われた位だ
平隊士二名も処置が早かった為、無事に生き残る事が出来た
この一件で、新選組は広く名を馳せる
と同時に、長州浪士にある噂が流れた
―新選組に独眼の阿修羅現る―と
後日談だが
池田屋事変とその後の働きを認められた青葉は、新選組に正式入隊した
と同時に新選組に医療隊が設けられ、その隊長に青葉が抜擢される
大捕物 後編 完
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池田屋終了!夢主のターンは戦闘シーンが多くて大変でした…楽しかったけど…
10...執筆
11.10.30.移転・修正
mae tugi
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