桜の花も散り、若葉が見せる季節が巡ってくる
早いもので千鶴と鈴々音が新選組に転がり込んで、そろそろ半年が経つ
当初隊士達も、奇異な眼差しで二人を見てたが
近頃はそれも無くなり、存在が当たり前の事になっていた
屯所での二人の生活は、似ている様で少し違う
鈴々音は事務能力の高さを買われ、いつの間にか土方の小姓に
ただ小姓とは名ばかりで
土方の書類整理、雑務、その他諸々…簡易に言えば、こき使われていた
対する千鶴はそれがない
父親の情報も何一つ見つかっておらず、部屋に篭って不安な日々を過ごしていた
そんな季節の変わり目の
――元治元年 五月の物語
mae tugi
←