06:-13year V

突如何故か異世界に辿り着いた俺は、眼帯の男…ネイガウスと出会った

――…だが



『……………』

「…ここ最近、仕事が忙しくてな…」

『…かおいろがわるいとは、おもっていましたが…』

「…済まん…」



この様な会話をするのには、訳がある

森を出た途端に、ぶっ倒れたよこの人!しかも理由は貧血だし!!


顔色めっちゃ悪ぃ。土気色通り越して、最早白いよ!何やったんだよ!?かなり貧血酷ぇぞ!!


兎に角彼を森の入り口の適当な木に寄り掛からせ、座らせた



『…つかぬことをおききしますが、ごしょくぎょうは?』

「祓魔師だ」

『エク…?』



聞き慣れない言葉に、つい眉を潜める

俺の表情に気付いてか、彼は苦笑しながら口を開く



「…祓魔師(エクソシスト)だ。悪魔を狩る者と、捉えてくれれば良い」

『はらいや、みたいなものですか?』

「まぁ似た様なものだな、規模は世界的だ」



はぁ。世界が違うと、未知なる事が多いな

しかし何でまた、祓い屋が貧血になる?



「お前のいた所では、悪魔はいなかったのか?」

『かくうじょうのそんざい、としてですね。はらいやは、いましたが』



俺達の世界にも、多少だが祓い屋は存在する

だが悪魔を払う、なんて芸当はしない


彼等は基本、悪霊達を相手にする。後はあまり報告されんが、妖怪から受ける障害等も彼等が請け負う

知識では知ってはいるが、祓い屋には俺も会った事はない



「…そうか。私達の世界には、悪魔は存在する。そして人間の心の隙間に入り込み、憑依する」

『…たち、わるい』

「ふっ…それ故に私達、祓魔師が存在するのだ」

『なるほど』



意外と物騒だ、この世界…


っと。彼をこのままにしておく訳にゃいかん

確か装備はそのままだった筈



「…どうした?」

『…あった!』

「何だ、それは?」



俺が腰に付けてるポーチから取り出した【モノ】を、彼は訝しげに見やる



『ぞうけつざい』

「増血剤だと?それがか?」



俺にとっては当たり前だが、どうやらこちらでは丸薬タイプの増血剤は珍しい様だ

黒い丸薬を彼は、しげしげと眺める



『そっこうせいですので、のめばダルさはすぐにぬけ、けつえきもぞうかされます』

「…………」



丸薬を手渡したが、彼は未だに口にしねぇ

警戒するのも分かるが、状況が状況だろ!腹を括れ!!



『ったく!』

「な、何をするっ!?」



座り込む彼の口に、無理矢理丸薬を押し込む

最初は眉を潜めてた彼だったが、次第に驚愕の表情に変わっていく



「…身体が、軽くなった…」

『とにかく、いどうしましょう。もりのまわりは、なにか【いやなけはい】がします』

「…あ、あぁ…」



ことなる せかい


(何だ、この気配?)
(まさか…悪魔の気配を感じ取っているのか?)

>夢主の元世界、多少捏造

11.09.06.

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