51:あんま問題起こすな

『いっ…』



胃の痛みと格闘しつつ、囀石の刑の連中を見やる

…雰囲気暗ぇし、空気重い



『…反省、してんのかアレ?……てぇ…胃薬、胃薬…』



胃の痛みが引かねぇと、どうにも動けんわ…今更ながら、雪男の苦労が漸く見に染みたぜ

………はぁ



「そんな事より…先生は何で奥村くん、置いていかはったん?」



あぁ、子猫丸が爆発してら

任務だ任務
雪男は最年少と天才っー看板背負ってんだ、仕方なかろ



「もしも何かあったら…危ないやんか!!



…その為に俺がいるんだが
まぁんな事、コイツらが知る訳ねぇしな。てか先程から、嫌な予感がしてならないんだが…



「子猫丸…」

「子猫さん…」



その時だ

子猫丸の囀石が勢い良く飛び上がり、しえみにのし掛かったのは



『……………げっ』



嫌な予感はこれかよ!

どうやら囀石の中に、古く強力なヤツが混ざってた様だ

このままだとしえみが、押し潰されちまう…………いや。コイツらに任せよ

囀石は下級、強力といえどコイツらが纏まればあるいは…ってオイオイ!燐!何、簡易に炎使ってんの!?

しかも何か車両に飛び火!?

こりゃメフィストに請求書行くな…知らーね


………今度は燐と勝呂が言い争いかよ



「16年前。ウチの寺の門徒が、その炎で死んだ。その青い炎は人を殺せるんや!」



…………青い夜、か
その言葉で、俺が思い浮かぶのは只一人しかいない。あの人も昔は荒れてたって聞いたしなぁ



「俺のじいさんも…志摩のじいさんも、一番上の兄貴も…子猫丸のお父も」



明陀宗の連中にとっちゃ、青い炎は畏怖の象徴…だからこそ燐を信用出来ないでいる



「寺の門徒は俺にとって、家族と同じ…家族がえらい目におうてて…どうやって信用せぇゆうんや!!」



はーい、キレて良いかな?
流石に俺でも、これ以上黙っていられねぇぞ

つかネイガウスさんが聞いてたら、絶対激怒するぞコレ



「それは…大変だったよな…でもだったら何だ!それと俺とは関係ねぇ!!」



正論だな。燐は燐であって、青焔魔でない

俺、こいつらに言った筈なんだけどなぁ…


まだ言い争ってやが、お?子猫丸が割って入った?


………いや子猫丸さんよ、その態度は頂けねぇな

ん?囀石が勝呂に向かってるだと!?



「坊!上!」

『黒凪!"紫電(しでん)"』



志摩の叫び声と共に、紫の稲妻が囀石に直撃

怯んだ囀石をシュラが斬り伏せた



「…ったく。お前ら、こんなザコ相手に何やってんだ!」



やっぱ起きてたか
気配で狸寝入りっーのバレバレだぜ?



『いい加減にしろ。実戦でも互いの足、引っ張るつもりか?テメェら認定試験の事をもう忘れたか?祓魔師は団結して戦うもの!仲違いしてんじゃねぇ!!』

「さっすが委員長〜」

『後、あんま問題起こすな。俺の胃がもたん、マジで』



…………………………



「わ、分かったな!お前ら!」

「は、はいっ!」



不協和音

(委員長〜お前さん、囀石と契約してみねぇ?)
(あぁ、それは是非)

>畏怖は消えず

12.10.15.

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