49:問答無用

『京都?』

「はい。こちらが詳細になります」



突然道化に呼び出され、突き付けられたのが京都遠征話

渡された詳細へ即、目を通す

……はぁ?何だ、これ?



『……本気で、候補生も連れて行く気か?』

「勿論です☆」



この内容は正直、キビしいなんてもんじゃねぇ。それにも関わらず、候補生も連れていくならば…何かがある

厄介な事には変わりないな



『……不浄王、ねぇ』



目指すは西の都―古都・京都



■■■



『…………オイ。一体何だ、この空気は』



ピキリと青筋が立つ

重い空気が車内を漂う



不浄王。江戸後期に討伐された上級悪魔


騎士団中枢地下に封印されていた、不浄王の"左目"

その"左目"が悪魔堕ちした祓魔師に、強奪されたのが事の発端


"左目"の対である"右目"は、京都出張所で封印されてる
が。こちらもまた、襲撃を受けていた


騎士団はこれを由々しき事態と捉え、至急京都出張所への増援部隊を派遣

また候補生はこの遠征に同行する事となった


…………のだが



先の燐の一件で、まぁ気まずい事。特に男子

仕舞いにゃ神木と勝呂の大喧嘩勃発。場所を弁えろや、新幹線の中だっての

…………………



『いい加減にせんか!阿呆共っ!!』




何時もの如く、ハリセン発動

今回ばかりは容赦せん!!



『霧隠先生っ!』

「にゃい!?」



やっぱり起きてたか
狸寝入りしても無駄だ、俺にゃ見分けつく



『……囀石、お願いします』

「………ハイナ」



シュラが冷や汗を流しているが、んなのスルーだスルー

彼女から直ぐ様、皆に視線を移すと全員肩を震えさせる



『貴様等全員、囀石の刑に処す』

「ちょお待ってぇな!」

『問答無用』

「………ハイ」



ニッコリと笑って断言してやれば、全員が折れた

…ったく…



『暫く頭を冷やせ』



■■■



暫くすると、刹を除く候補生全員が囀石の刑に処された



「……アイツがあんなに怒るトコ、初めて見たな。つかお前ら、マジで反省しろよ」

「けどっ!!」



神木が直ぐに噛み付く

いやいや、お前ら。本気でやめとけ



「アレを見てもか?」

「え?」



アタシの指差す先を、候補生達が辿ってみると――



「…あ、あの…大丈夫ですか…?」

『…ス、スミマセン…誰か、胃薬…下さい…』



刹が胃を押さえ、苦しんでる姿

これに全員が絶句



「………………」



な、分かったろ?

このまんまじゃ、刹がもたねぇっうの



「アイツ。いつか胃潰瘍で、ぶっ倒れちまうぞ」


反省したか?

(…胃が、痛い…)

>途中からシュラ視点
委員長は苦労性

12.07.31.

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