早いなぁ…歳月って…俺、七歳だよ
『………』
いや何か複雑なんだけど…色々と、さ
■■■
『祓魔塾?』
「あぁ、通ってみないか?」
学園から帰宅したネイガウスさんが発した言葉に、つい目を瞬く
祓魔塾って確か、祓魔師の養成所じゃなかったか?
『何でまた?』
「今の刹の知識は最早、祓魔師と同様かそれ以上だ。それならば祓魔塾に通っておいて損はないだろう、とフェレス卿がな」
『………あんのっ…』
ったく…親バカっ!!
ウザくてしゃあねぇ…前々からウザかったが
「私としても同感だ、お前には才能がある。何より身を守る術を、学ぶ事は損ではあるまい」
『……ん、確かに』
ネイガウスさんの言う事も一利ある
俺は悪魔に対する知識はあっても、【対抗する術】を持ち合わせてない
今までの【力】が悪魔に無効なのは、ルシファーの協力を得て実証済みだった
【私もイゴールの考えに賛成です、主】
『ルー』
俺に話し掛けたのは、俺と契約を結んだ上級悪魔・堕天 ルシファー
ネイガウスさんが仕事中、俺の面倒を見てくれてる
【いざとなれば、私が主を守る事が出来ましょう。しかし私は上級悪魔…いざ本格的に召喚しては、主にかなりの負担が掛かってしまいます】
まぁ言ってる事は最もだ
ルーは上級悪魔でも、かなり上に位置する
そのルーを召喚するとなるとなれば、まずこの小さな身体では持たないだろう
今はルー個人の力で、コチラに留まっている。ネイガウスさんの協力もあるが
「…ルシファー、相変わらず刹に忠実だな…」
『慣れねぇから、止めてくれってんのにな』
【私にしたら、主もイゴールも相変わらずですよ…全く】
苦笑しか浮かべられない
ネイガウス宅は大概こんな感じだ
「…どうする?祓魔塾に通う事になると、雪男と同期になる可能性もあるが…」
『…雪男、と?』
ちょ、待て。雪男は確か六歳じゃ…
するとルーが思い出した様に呟いた
【そうでした…雪男若君は生まれつき、魔障を受けていましたね】
「あぁ…それ故に悪魔が見えていたらしい。藤本が祓魔塾を勧めた」
て事は…雪男、お前…燐を守る為に?
燐を守るのは良いが、お前の【心】は誰が守る!?
本当に似た者同士だな…
『……行く』
「…そうか、分かった」
じゅくへ
(…しかし…その格好、どうにかならんか?)
(こっちのが楽なんだよ)
(…………人前ではやるな)
>ルシファーが次第にオカンになってきた…
12.04.28.
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