結局道化が俺を離したのは、それから暫く後で
森は燐の炎に包まれている
これがお前の望んだ結果か、道化?
「いやぁ、青いなぁ…まるで、あの夜のようじゃないか」
……面倒なのが来たよ、温室育ちが
あれから【現・聖騎士】のエンジェルにより、燐は三賢者(グリゴリ)の懲戒尋問を受ける事になり
他の訓練生達は雪男の引率により、医務室へ連れていかれた
……本当にどうすっか
■■■
「兄は…"奥村 燐"は…約15年前サタンの憑依体と、人間の間に生まれた子供です。サタンの青い炎の能力を継いでいます」
医務室に静かに入ると、丁度雪男が訓練生達に説明に入った所だった
「あ、あの…先生は確か…奥村くんと、双子のご兄弟でしたよね?」
「僕は炎を継いでいません」
正確には"継げなかった"んだ
「毎日検査も受けてますが、不思議とただの常人です」
雪男は未成熟児で産まれた
恐らくそれ故だろう
身体の弱い彼には適合せず、健康体であった燐に、炎が適合したのだろう
「炎が降魔剣で抑え切れなくなり、覚醒したのは3ヶ月ほど前。それまでは本人も自分が、何者かは知らずに育ったんです」
「何で…何が目的で、育てられたんや?」
『ソレを知りたきゃ理事長に聞け』
「刹、さん?」
今まで黙ってはいたが、ちと挟ませて貰うぜ
「一体今までどこに?」
『道化に足止め喰らった』
「は?」
「それよか、どういう事や!?」
勝呂が苛立ちを抑えるかの様に叫ぶ
『理事長は騎士団の名誉騎士だ、全てを知っていても可笑しくはない…が』
「が?」
『あの人がすんなり教えると思うか?つかまずお前ら、理事長の考えを理解出来るか?』
「そ、それは…」
ふむ…もう一息、だな
『"奥村 燐"は奥村 燐だ、青焔魔ではない』
「せやけどっ!!」
『アイツの代わりは誰も出来ない』
息を呑む音が、嫌に響く
『お前等、今まで燐と接してきただろ…【これだけ】でアイツを否定すんだな?
…堕ちたな、お前等』
「なっ!?」
皆の表情に怒りが浮かぶが、んなの知ったこっちゃねぇ
『あの馬鹿が好きで青焔魔の息子やってんじゃねぇ事位、餓鬼じゃねぇんだから分かるだろ。燐と青焔魔を一緒くたにすな、燐は燐だ』
「刹…さん」
「それとな。肉親の目の前で、不用意な発言は控えろ。奥村先生はお前等と同じ年だ、ちったぁ配慮しやがれ』
そこまで言うと、俺は苦笑しながら盛大に溜め息を漏らす
『…アイツは心底馬鹿だからな。お前等にだけは嘘、付きたくなかったんだろうよ』
本当の君を知って
(…さてはて。どう転ぶ)
>迷いましたが原作ベース+アニメで
12.03.29.
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