44:-10year U

『七五三?』

「はい☆」

『………って何だ?』

「………ご存知無い?」



道化に急に呼び出されたら、訳の分からん事を言われた

何だ、そのしちごさんってヤツは?



『知らんもんは知らん』

「…ご説明しますよ」



メフィスト曰く

七五三とは、子供の成長を祝う行事らしい

男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳の年の十一月十五日に神にお参りするんだと



『つか俺、七歳じゃねぇし』

「貴女は今年の誕生日で七歳でしょう?」

『良いんかい』



どうやら奥村兄弟と一緒にやるらしい

……ごねたな?アイツら



『…………で、だ。この惨状は何だ?』

「好きなのを選んで下さい☆私としてはコチラの、特注メフィストピンクをお薦めです☆」

『じゃなくて!何で着物が山になっとる!?』



そうなのだ。気が付けば道化の部屋が、子供用の着物の山と化していた

……どういう意味だ!?


つか特注メフィストピンクは、心底遠慮する



「七五三には着物、と決まっています☆」

『マジでか』



冗談だろ?着物着る位だったら、七五三やらんでも……



「奥村兄弟が泣いても知りませんよ?」



そうだった!!…やられた



「あぁ!この柄も良いですね!!こちらも捨てがたい!!」

『……………』



七五三は強制参加決定かい

つか眼前の親バカどうすっかな…ウザくて仕方無ぇ


早々に着物を決めて、修道院に行くか



『どうすっかな』



着物、ねぇ。恐らく奥村兄弟は青い着物だろう

……獅朗さんの事だからな


と、するとだ



『コレ、にすっか』



俺が手に取ったのは、鮮やかなオレンジの着物

青に映えるは、橙色だ


赤でも良かったんだけどな



『…………放置、すっか』



未だに着物を選ぶのに夢中なメフィストを放置し、俺は理事長を後にした



しちごさん



(予想通り、奥村兄弟は青の袴で)
(その後暫く、メフィストが五月蝿かった)


>奥村兄弟はやはり青!

12.02.05.

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