『七五三?』
「はい☆」
『………って何だ?』
「………ご存知無い?」
道化に急に呼び出されたら、訳の分からん事を言われた
何だ、そのしちごさんってヤツは?
『知らんもんは知らん』
「…ご説明しますよ」
メフィスト曰く
七五三とは、子供の成長を祝う行事らしい
男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳の年の十一月十五日に神にお参りするんだと
『つか俺、七歳じゃねぇし』
「貴女は今年の誕生日で七歳でしょう?」
『良いんかい』
どうやら奥村兄弟と一緒にやるらしい
……ごねたな?アイツら
『…………で、だ。この惨状は何だ?』
「好きなのを選んで下さい☆私としてはコチラの、特注メフィストピンクをお薦めです☆」
『じゃなくて!何で着物が山になっとる!?』
そうなのだ。気が付けば道化の部屋が、子供用の着物の山と化していた
……どういう意味だ!?
つか特注メフィストピンクは、心底遠慮する
「七五三には着物、と決まっています☆」
『マジでか』
冗談だろ?着物着る位だったら、七五三やらんでも……
「奥村兄弟が泣いても知りませんよ?」
そうだった!!…やられた
「あぁ!この柄も良いですね!!こちらも捨てがたい!!」
『……………』
七五三は強制参加決定かい
つか眼前の親バカどうすっかな…ウザくて仕方無ぇ
早々に着物を決めて、修道院に行くか
『どうすっかな』
着物、ねぇ。恐らく奥村兄弟は青い着物だろう
……獅朗さんの事だからな
と、するとだ
『コレ、にすっか』
俺が手に取ったのは、鮮やかなオレンジの着物
青に映えるは、橙色だ
赤でも良かったんだけどな
『…………放置、すっか』
未だに着物を選ぶのに夢中なメフィストを放置し、俺は理事長を後にした
しちごさん
(予想通り、奥村兄弟は青の袴で)
(その後暫く、メフィストが五月蝿かった)
>奥村兄弟はやはり青!
12.02.05.
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