41:頼んだぜ、委員長

「だ、騙された…」

『先生は【三枠】とは言ってたが、三人とは言ってなかったからな』



化燈籠を連れて行く最中、神木は眉を潜める

簡単に気付いたら、訓練にならんしな



「所で…だ、大丈夫なの?」

『ん?へーき、へーき』



化燈籠は俺が呼び出したゴーレムが運び、神木の白狐二体で虫豸を排除する

俺は虫豸は平気だが、神木が駄目なのでこの形になった



【主も見習う事だ】

『無理だろ、それ』



なんちゅう無理難題を

刹那。空に小気味良い音が響き渡る



「あれって…誰か、脱落したの?」

『……拠点に行けば分かる』



脱落だと?あり得ねぇ

この塾生達が、簡易に脱落する訳がない


……すると……



「着いたっ!!」

『てか、宝早っ!!』



拠点に辿り着いてみると、そこには既に宝の姿が

一体どういう手を使ったんだよ…謎だ…


ん?……雪男が、いない?



『霧隠先生』

「ん〜?」



どうやら雪男不在中、シュラは酒は飲まない様だ

ちゃんと立ち、腕を組みながら魔法円の外側を見やる



『奥村先生は回収へ?』

「そだけど?」

『…………』



可笑しい

燐達の気配は、確実に拠点へと向かっている

考え込む俺に、シュラは訝しげな表情で口を開く



「どうした?」

『………脱落者がいないのに花火?』

「何っ!?」

「バンザーイ!無事帰還や〜!!」



それを示すかの様に、志摩の声が響く

振り向くとそこには、残りの塾生五人の姿が



「………」

『全員無事帰還。なのにも関わらず、上がった花火。救援要請でないとすれば…』

「ひゅーー…」



この、声は!?



「シュタッ」



やっぱてめぇか、アマイモン!



「ゴー!ベヒモス!」



突然のアマイモンの襲撃…可笑しいぞ、何時もの無計画さがない

シュラの絶対障壁で何とか凌いだが…次は…



「結城!」

『はいっ!』



突然過ぎる事態に、候補生は皆戸惑いを隠せてない

…当然っちゃ、当然だ



「候補生の引率を頼む」

『は?』

「お前は冷静だし、状況判断も優れてる。何よりコイツらをいつも引率してんだろ?」



………まぁ、言われてみゃ確かに



「アタシはアマイモン相手に、掛かりきりになっちまうからな…」

『分かりました。身の安全第一、という事で』

「頼んだぜ、委員長」



事態、急変

(シュラと話していたからか)
(しえみの異変に気付けなかった)

11.12.16.

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