39:そゆこと

「では。これから訓練内容を説明します」

「肝試し〜肝試し〜」



飲み過ぎだぞ、シュラ



「シュラさん、勤務中です」

「つかその女、18言うてなかったか?」



言ってたな、んな嘘を



「18歳?」



雪男?待て待て!



「何をバカな事を。この人は今年でにじゅうろ……」



……空き缶投げられた

言わんこっちゃない…



「んにゃぁ、手が滑ったぁ」

「おい…仕事をしろよ…!!」



おーい、雪男くんや

皆呆けてるから、帰っておいでー



「えー…では説明します」



あ、帰ってきた


この訓練を簡易に説明すると


三日間の内に森の中にある、三つの提灯に火を点して消さすに持ってくる事

但し。提灯は拠点中心から半径五百m内、そして三つのみ


…この訓練、勘違いしやすいんだよなぁ

さて俺はどうすっかな…



『ん?』



………スイマセン、帰って良いっスか?


何であの兄弟が?何を企んでやがる…



「では位置について」



魔法円の外側へ、俺達は散り散りに並ぶ



「よーい」



雪男が鳴らす音で、訓練が開始された


あの悪魔兄弟、何かを企んでるのは確か。しかも燐絡み



『(黒凪、悪ぃが燐を頼む。訓練には手出し無用、あの兄弟が手を出して来たら対処してくれ)』

【(了解、マスター!)】



走りながら、黒凪を召喚する


黒凪は他の蛇とは違う、特殊能力を持つ

それは契約者と精神でのコンタクト


謂わばテレパシーの様なものだ



『(嫌な予感がしてならねぇ…異変があったら直ぐに知らせろ)』

【(ちょ…!?マスターの嫌な予感って、了解!)】



多少声音が慌てたものの、黒凪は瞬時に闇へと溶け込む

…俺の嫌な予感、今の所外した事ねぇからな



『お?』

「あ…」



提灯を見付けたのは良いんだが、神木と鉢合わせ

妙な空気が漂う



『どうする、神木?手、組むか?』

「え、でも…」



戸惑う神木…ふむ、訓練の内容をまだ理解してねぇな



『塾生の数に提灯の数がおかしいだろ?』

「……まさか、また?」

『そゆこと』



流石神木、飲み込み早いね



『交互で使い魔に運ばせれば良いのさ』



不安が募る

(道化め、何をするつもりだ)

11.11.30.


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