35:その後だ

「なん、だと?」



ネイガウスさんの目がこれ程か、という程に見開かれる

まぁ仕方無いっちゃ、仕方無いよな



『いや、だから。ネイガウスさんの後任がシュラ』

「その後だっ!」

『移動の理由を、産休とか育児休暇とか』



そう。ネイガウスさんの後任に、シュラが就いたのだが…

理由が理由な為、塾生への説明も適当なモノになってしまった


…ソレに、ネイガウスさんはお怒りな訳。ま、そらそうだわ…


あ。南瓜煮えた



「あの…馬鹿者がっ!!」

『いやぁ、笑いを堪えるの大変だった…』



塾生にあーだこーだ、と説明するシュラに

俺はとにかく笑わない様、必死だった



「刹っ!!」

『ってもなぁ…しゃあねぇじゃん、シュラなんだから』

「…全く…」



そうそう、諦めて。シュラなんだからさ

苦笑しながら、俺はネイガウスさんの前に冷えたビールとザワークラフトを差し出す



『ま、これで。魔剣と焔のコントロールについてはクリアだね』

「ああ。シュラの人間性はともかく…アイツは魔剣の扱いだけには、精通しているからな」



…よっぽど根に持ってんな…言葉の節々に、棘を感じる…



『…酷ぇ言い様。そこら辺は、獅朗さんもシュラに頼んでたみたい』

「……そうか」



メフィスト経由で聞いた話だが、獅朗さんは事前にシュラに頼んでいたらしい


……と、言うか。何故ソレをメフィストが、知ってるのかが不思議だよ

シュラが話したとは思えんしなぁ…


南瓜の煮物を始めとした、夕飯のおかずを次々とテーブルに並べながら口を開く



『ただ燐、直ぐ降魔剣を抜く癖が出てるよ…』

「雪男もな…感情を抑え込んでしまい、自身を二の次に考えている…」



燐は焔のコントロールがまだイマイチだし

雪男は燐を守る事を第一に考えてるせいか、感情を無意識に押さえ込んでるし


……あの双子、大きくなっても手間掛かるんですけど…



「『はぁ』」



ついネイガウスさんと一緒に、深い溜め息が漏れる



『何か、キリないんだけど』

「あの二人はまだ若いのだから、仕方あるまい」



……………………ふぅん

ソレ、言うんだ?私の前で?



『………ビールとザワークラフト、没収』

「ま、まてっ!?」



見守る者の憂鬱


(待て!俺が悪かった!!)
(………………)
((…また、か))

>アニメ版が面白かったので導入(笑)


11.11.13.

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