『…え、嘘?』
「フェレス卿が言っていたのだ、嘘ではない」
ネイガウスさんの言葉に、俺は眉を潜めた
アイツが?燐に接触?
つか俺、アイツ嫌い…
『……嫌だなぁ』
「尻尾を出すなよ、刹。俺達はあくまで、表向きフェレス卿には従ってはいるが…」
『……分かってる』
■■■
『(…ゴメン、早々に見付けた。しかも目が合った…)』
候補生達と雪男・椿教諭による任務。放課後の遊園地で、ゴーストの捜索だ
いやー。しえみが制服着たのは吃驚したが
しえみはいつも和服だから、制服姿は新鮮だ
組分けで俺は雪男と組んだが…初っぱなから、アイツを見付けちまったからか
嫌な予感がしてならねぇ…
「さぁ、行きましょう」
『はい』
暫く雪男と捜索するが、ゴーストの気配すらねぇ
『……いませんね』
「……そうですね」
…気まずい、妙に気まずい!
空気が重くて仕方ねぇ…
そういや教師としての雪男とは、初めての行動か?
『………』
「結城さん?」
この気配は…燐の焔の気配…
つか焔の近くに何故オマエが居るっ!?
突然遊園地内の施設が急に動き出す……あの野郎…
そして響き渡る破壊音
「結城さん!?」
雪男が止めるのも聞かずに、俺は駆け出す
今の燐じゃアイツには相手にならん!第一、一緒にいるしえみが危ねぇ!!
『あんの馬鹿がっ!!』
■■■
『り………って…』
焔の気配を辿って行けば、燐は焔に呑まれていた
……アマイモン、てめぇ!!
だがしえみの危険を察知した燐は、呑まれていた筈の焔を自身の理性で押さえ込みやがった
……燐、オマエ……
「"八つ姫を喰らう"」
ん?この声は…
「"蛇を絶つ"!」
あの魔剣は…まさか…
…あの太刀筋は間違いない
『(……隠れよ) 』
とりあえず目についた、施設の屋根に飛んで座り込む
あ、アマイモン逃げた
しえみ、無事だったか。良かった
…んな約束したんかい、いつの間に
お。雪男も合流したか
「遅ぇぞ、雪男」
アマイモンの後を追い掛けた【山田】が戻って来た
「お前が遅いから、こっちが動くハメになっただろーが…久しぶりだな」
「まさか…」
「え?山田じゃねーの?」
『……かわってねぇ』
本当、性格変わってないな…俺は嫌いじゃねぇけど
変装解いた。おー、おー、驚いとる驚いとる…当然か
「アタシは上一級祓魔師の霧隠 シュラ」
相変わらず派手だねぇ
…も少し露出は控えようか、シュラ。一応年頃の男の子が居るし
『(シュラ…か。ヴァチカン本部からの密命を受けた、観察官ってトコだろ。青焔魔関連の、な)』
ゆっくりと立ち上がり、遊園地の入り口へと足を向けた
この分だと俺達は解散だろう
ふと俺はシュラへ、視線だけ振り向く
『…シュラ、ソイツは笑える程の馬鹿だぞ』
魔剣士
(しかしまさか、地の王を宛がうとは…)
(成長を促すとはいえ、ちとハードル高過ぎだぞ)
>最近夢主空気…
11.11.05.
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