33:……かわってねぇ

『…え、嘘?』

「フェレス卿が言っていたのだ、嘘ではない」



ネイガウスさんの言葉に、俺は眉を潜めた

アイツが?燐に接触?


つか俺、アイツ嫌い…



『……嫌だなぁ』

「尻尾を出すなよ、刹。俺達はあくまで、表向きフェレス卿には従ってはいるが…」

『……分かってる』



■■■



『(…ゴメン、早々に見付けた。しかも目が合った…)』



候補生達と雪男・椿教諭による任務。放課後の遊園地で、ゴーストの捜索だ


いやー。しえみが制服着たのは吃驚したが

しえみはいつも和服だから、制服姿は新鮮だ


組分けで俺は雪男と組んだが…初っぱなから、アイツを見付けちまったからか

嫌な予感がしてならねぇ…



「さぁ、行きましょう」

『はい』



暫く雪男と捜索するが、ゴーストの気配すらねぇ



『……いませんね』

「……そうですね」



…気まずい、妙に気まずい!

空気が重くて仕方ねぇ…

そういや教師としての雪男とは、初めての行動か?



『………』

「結城さん?」



この気配は…燐の焔の気配…

つか焔の近くに何故オマエが居るっ!?



突然遊園地内の施設が急に動き出す……あの野郎…

そして響き渡る破壊音



「結城さん!?」



雪男が止めるのも聞かずに、俺は駆け出す

今の燐じゃアイツには相手にならん!第一、一緒にいるしえみが危ねぇ!!



『あんの馬鹿がっ!!』



■■■



『り………って…』



焔の気配を辿って行けば、燐は焔に呑まれていた

……アマイモン、てめぇ!!


だがしえみの危険を察知した燐は、呑まれていた筈の焔を自身の理性で押さえ込みやがった

……燐、オマエ……



「"八つ姫を喰らう"」



ん?この声は…



「"蛇を絶つ"!」



あの魔剣は…まさか…

…あの太刀筋は間違いない



『(……隠れよ) 』



とりあえず目についた、施設の屋根に飛んで座り込む


あ、アマイモン逃げた

しえみ、無事だったか。良かった

…んな約束したんかい、いつの間に


お。雪男も合流したか



「遅ぇぞ、雪男」



アマイモンの後を追い掛けた【山田】が戻って来た



「お前が遅いから、こっちが動くハメになっただろーが…久しぶりだな」

「まさか…」

「え?山田じゃねーの?」

『……かわってねぇ』



本当、性格変わってないな…俺は嫌いじゃねぇけど


変装解いた。おー、おー、驚いとる驚いとる…当然か



「アタシは上一級祓魔師の霧隠 シュラ」



相変わらず派手だねぇ

…も少し露出は控えようか、シュラ。一応年頃の男の子が居るし



『(シュラ…か。ヴァチカン本部からの密命を受けた、観察官ってトコだろ。青焔魔関連の、な)』



ゆっくりと立ち上がり、遊園地の入り口へと足を向けた

この分だと俺達は解散だろう


ふと俺はシュラへ、視線だけ振り向く



『…シュラ、ソイツは笑える程の馬鹿だぞ』



魔剣士


(しかしまさか、地の王を宛がうとは…)
(成長を促すとはいえ、ちとハードル高過ぎだぞ)


>最近夢主空気…


11.11.05.

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