31:…成る程、ね

『そういや燐が連れてんのってさ、クロじゃね?』



放課後になると、燐の肩に黒猫がいるんだよな。二又の



「あぁ、言ってなかったか?燐の使い魔になったのだ」

『……一体どういう経緯?』



さらりと言ってくれて、まぁ…俺は初耳だぞ

つかクロ…裏口南側の門番、してなかったか?



「藤本の死を知ったクロが暴走、燐が頭突きで静めた」

『……馬鹿だ』



何故に頭突き…いや。そもそも、その場に何故燐が…



「だが…藤本を彷彿とさせた…」



懐かし気に目を細めるネイガウスさんの表情は、何処か穏やかで

…彼の横顔に、獅朗さんが重なって見えた



『…そか』



■■■



「おい!クロっ!!」

『おわっ!?…猫?』



塾の授業後

背後から、何か飛び付いて来た。良く見るとそれは……クロ?



「悪ぃ、刹姉…」

『いや、大丈夫だけど…どしたの?』

「ちっと、な」



懐かしいなー、相変わらずやっかくてフニフニだ〜



【リン!このひと、なつかしいにおいがする!】

「懐かしい?…刹姉、前にクロに会った事ある?」

『んにゃ、初対面』



………ゔっ゙!?

さ、流石クロ…匂いで感付いたか!



【おかしいなぁ。しろうみたいに、なつかしいにおいしたのに〜】

「気のせいじゃね?」



小首を傾げる燐を横目に、俺は冷や汗ダラダラ

きっと獅朗さんの様な懐かしい匂いとか、言ってんじゃね?←当たり




『つか何で、塾に連れてきてんの?』



そもそも猫又のクロが、なして塾内にいる?

すると燐はさらっと答えた



「健康診断」

【けんこーしんだん、いやだっ!】



……………暴れてら

そういや、そんな時期だよな



『…成る程、ね』



懐かしき友


(覚えてるもんだね)
(あれだけしょっちゅう藤本と、一緒に遊んでいれば当然だろう)

>使い魔の健康診断、あったら面白そう

11.10.29.

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