『そういや燐が連れてんのってさ、クロじゃね?』
放課後になると、燐の肩に黒猫がいるんだよな。二又の
「あぁ、言ってなかったか?燐の使い魔になったのだ」
『……一体どういう経緯?』
さらりと言ってくれて、まぁ…俺は初耳だぞ
つかクロ…裏口南側の門番、してなかったか?
「藤本の死を知ったクロが暴走、燐が頭突きで静めた」
『……馬鹿だ』
何故に頭突き…いや。そもそも、その場に何故燐が…
「だが…藤本を彷彿とさせた…」
懐かし気に目を細めるネイガウスさんの表情は、何処か穏やかで
…彼の横顔に、獅朗さんが重なって見えた
『…そか』
■■■
「おい!クロっ!!」
『おわっ!?…猫?』
塾の授業後
背後から、何か飛び付いて来た。良く見るとそれは……クロ?
「悪ぃ、刹姉…」
『いや、大丈夫だけど…どしたの?』
「ちっと、な」
懐かしいなー、相変わらずやっかくてフニフニだ〜
【リン!このひと、なつかしいにおいがする!】
「懐かしい?…刹姉、前にクロに会った事ある?」
『んにゃ、初対面』
………ゔっ゙!?
さ、流石クロ…匂いで感付いたか!
【おかしいなぁ。しろうみたいに、なつかしいにおいしたのに〜】
「気のせいじゃね?」
小首を傾げる燐を横目に、俺は冷や汗ダラダラ
きっと獅朗さんの様な懐かしい匂いとか、言ってんじゃね?←当たり
『つか何で、塾に連れてきてんの?』
そもそも猫又のクロが、なして塾内にいる?
すると燐はさらっと答えた
「健康診断」
【けんこーしんだん、いやだっ!】
……………暴れてら
そういや、そんな時期だよな
『…成る程、ね』
懐かしき友
(覚えてるもんだね)
(あれだけしょっちゅう藤本と、一緒に遊んでいれば当然だろう)
>使い魔の健康診断、あったら面白そう
11.10.29.
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