30:-11year U

『ピクニック?』



久々の南十字男子修道院

日々健やかに育っていく奥村兄弟から、聞き慣れない単語が出てきた



「うん!」

「いきたい!」

『何でまたそれを私に?獅朗さんに言えば良いだろう?』



夢中で俺に語る奥村兄弟

だが何故に俺なんだ?



「「しごとだって」」

『……獅朗さん』



あぁ…もう聞いてたのな

で、駄目だったから俺にと


っても。俺も世間体では、五才児だからなぁ



『うぅむ…』

「「せつねぇ!!」」



……ダメ元で、聞いてみっか



■■■■■



数日後



「「わぁーいっ!!」」

「…………はぁ」

『…マジでスンマセン…』



奥村兄弟のお願いを聞いた俺は、ネイガウスさんに事情を話した


と、言うのも

俺が奥村兄弟と出掛けられるのは、大抵修道院の近場のみ

遠出となると、世間体からおかしい光景になるだろう…確実に


なのでネイガウスさんに、保護者を頼んだのだ


…彼自身かーなり渋ったが、根気良く説得して何とか今日に漕ぎ着けた訳である



「まってよ、にいさん!」

「はやくこいよ、ゆきお!」

『前見て走らないと転ぶぞ!!』



ピクニックに行けると分かってからの、奥村兄弟のはしゃぎ様が半端ない

あの雪男が、燐に着いて走っている位なのだから



「………元気なものだ」

『余程楽しみにしてたんだなぁ。雪男があんなに、はしゃくなんて…』

「しかし…何故急に、ピクニックと言い出したのだ?」



確かに、ネイガウスさんの疑問も最もだ



『何でも幼稚園の友達が、ピクニックの事を自慢気に話してたらしく』

「成る程…それが羨ましくなった、か」



まぁ理由は別にもある

実はその自慢気に話していた児童、奥村兄弟に失礼な事をほざきやがった


【お前たちがピクニックに、行けるわけないだろ。しゅうどういんにいんだからさ!】



それ聞いた途端俺、キレましたよ

親にも話して、その児童に二人へ謝らせましたから


まぁそんな裏事情もあり、二人は楽しみにしてたのだ



『獅朗さんも行く気満々だったけど…任務入っちまったしなぁ…』

「…何とも、タイミングの悪い事だ…」



何か、道化の企みを感じるのは気のせいだろうか?

…気のせいと思いたい…



「「せつねぇ!イーにぃ!はーやーくー!!」」

「……全く、アイツらは…」

『そう言いつつ、口元がニヤけてるけど?』



みんなで おでかけ



(数日後。現像した写真を見た獅朗さんから)
(再びネイガウスさんが、からかわれるのは…お約束)



>すでに親子(笑)

11.10.25.

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