22:-12year U

「今日は、済まなかった」



あれから俺達は、直ぐに藤本と合流出来た

…合流した時の藤本の姿は、敢えて伏せておこう


そして足早に俺達は、修道院へと戻った



「…まさか、この様な事になるとは…」

「お前や刹にゃ、悪い事をしたな」

「…いえ…あの二人が無事で何よりです」



まさかあの兄弟が、悪魔に襲われるとは…

俺の眼前にいる藤本は、悔しさに表情を滲ませている



「…そういや、刹は?」

「燐と雪男の側にいると…」

『……寝たよ、二人共』



噂をすれば、何とやら

藤本と話していると、静かに刹が部屋に入って来た


しかしその表情には、何も感じられない



「……刹、今日は…」

『獅朗さんが、謝る事じゃないよ』



刹はそう言うと、コップに水を注ぎ始める

そして一口、水を飲んだ後に口を開く



『燐や雪の事は、知ってたし』

「「っ!!」」



………何、だと?

俺は教えていないぞ?



『あらゆる知識を繋げ、推測し、導き出した結果さ。ルーにも確認取った』

「ルー?」



刹那。部屋の上空から、漆黒の羽根が舞う



【…主…】



そうだ、そうだった…

ルシファーは上級悪魔、何ら知っていて可笑しくはない



「なっ…!?だ、だ、堕天…ルシ、ファー?」

【御初に御目に掛かります。聖騎士・藤本 獅朗。堕天ルシファーと申します、以後お見知りおきを】



驚く藤本に対し、ルシファーはまるで執事の様に丁寧に挨拶を交わす



『森で拾って契約した』

「可笑しいだろ!それぇ!!」




……確かに正論だが、事実だ

不意に刹は、視線を明後日に向ける



【主?】

『………ルシファー。お前あと、どれだけ【動ける】?』

「っ!!」



刹の瞳が険しく細まった


彼女はルシファーを常にルーと、愛称で呼ぶ

だが…正式名称で呼ぶ時は、必ず何かある時



【ご安心下さい、まだまだいけますよ】

『そう…』

「…刹」

『招かざる客が、こちらに向かって来る』



その言葉に、空気が凍る



【では、私が排除して参りましょう】

『ついでに周りにいる雑魚も殺ってこい』

【承知しました】

「…言葉の変換が違うぞ」



全く…この豹変差は相変わらずだな…見ろ、藤本が固まっているぞ



【では…行って参ります】

『ん、行ってらっさい』



ルシファーは軽く頭を下げると、漆黒の羽根を残して姿を消した



「…燐と雪男は?」

『今夜の事を【忘れて】、ぐっすり寝てるよ』

「忘れて?」



刹の言葉に、眉を潜める



『ちと記憶を弄った』

「そんな事も出来るのか…」



彼女の出身地を考えれば、可能かもしれんが…

まさか記憶まで操作出来るとは、な


すると刹は肩をすかせ、苦笑を浮かべた



『出来るには出来るけど…力の消耗が激しいから、正直もう止らん』

「……そうしておけ」



まもる もの

(所で…境内での姿だが…)
(……もうやんない)
(頼むからそうしてくれ…)


>ネイガウス視点
お姉さんは強いんです

11.10.09.

[] [top]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -