16:-13year [

「良く来たな、お前ら!」



来たぜ!南十字男子修道院!!

出迎えてくれたのは、獅朗さん…笑顔が眩しいぜ



『こんにちわ、しろうさん』

「…………お邪魔します」



ネイガウスさんを説得するのに、どんだけ時間が掛かった事やら…

双子って俺、初めてなんだよな!すっげー楽しみだ!!



「何だ?えらく不機嫌だな、ネイガウス」

「…また勝手に部屋に不法侵入されては、不機嫌にもなります」



背後で大人二人が、俺に気を使ってか、小声で話している

……ワリ、二人共。俺、聴力良いから筒抜けだわ



「…いやぁ、悪ぃ」

「…反省の色が皆無の所も、相変わらずですね…」



どうやら獅朗さんのネイガウス宅への不法侵入は、今に始まった事じゃないらしい

…オッサン、いずれ捕まっても知らねぇぞ?


そして――俺は修道院の部屋の、一つに案内された


そこには、ちみっさい男の子が二人

だが二人は俺とネイガウスさんを見て、直ぐ獅朗さんの後ろに隠れてしまった



『こんにちわ。おなまえ、いえるかな?』



声音を優しめに、穏やかにして語りかけてみる

すると二人は恐る恐る、獅朗さんの後ろから顔を出した



「…りん…」

「…ゆきぉ…」



うわぁ!可愛い!!

少しつり目気味なのが、燐君で…ちょっとタレ目気味で、小柄なのが雪男君か



『よくできました。おねえちゃんは、刹っていうの』

「「せつ、ねぇ?」」



…ぐはぁぁっ!!




『なに?このカワイイいきものたち…かわいすぎ…』



弟達がいたら、こんな感じなんかな…



■■■



『しろうさん!』

「おう!どした?」



獅朗さんとネイガウスさんの姿は、修道院のリビングにあった

…気をつかってくれたのか



『りんとゆきが、おなかすいたって。ふたりともこけいぶつ、だいじょうぶ?』



俺の後ろには小さくお腹を鳴らす、奥村兄弟の姿が

あれから暫く二人と遊んでいたら、腹が空いたとごねてきたのだ


個人差もあるが二才位なら、離乳食は卒業してる筈だと思うが…



「ん、おお…もう離乳食は卒業したが?」

『りん、ゆき。おやつ、なにがいい?』

「「…あまぃの!!」」



離乳食卒業してんのか、良かった

正直離乳食の作り方、イマイチ分からんから助かったぁ


奥村兄弟に希望があるか聞いてみりゃ…まぁ二才だからな



『…なんちゅう、ちゅうしょうてきな…しろうさん。おだいどころ、おかりしますね』

「あ、あぁ…」



戸惑う大人組を余所に、俺はさっさと台所へ向かった

出来ればフルーツがあれば良いんだが…



「「いちょ〜!!」」



そう言うなり、奥村兄弟は俺に抱きついてきた

身長差があんまねぇから、二人一度に来られるとキツ!!



『てつだってくれるの?ありがと、ふたりとも。じゃ、いっしょにつくろう』

「「お〜!!」」



あ、ラッキー。フルーツが幾つかある

燐と雪にはフルーツの盛り合わせにして、大人組には甘さ控えめのコンポートにすっか



「……姉弟に見えるのは、俺の気のせいですか?」

「…んにゃ、俺にもそう見えるぜ…」



奥村兄弟と仲良く料理をしている光景を、大人組が引き攣った笑みで見てたなど…俺は知る由もなかった



なかよし こよし

(…もちかえりは…)
(駄目に決まっているだろう)

>奥村ツインズとの出会い
お姉さんは弟達が心配です

11.09.17

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