15:いい加減にしやがれ

神木が可笑しい

朴の容態は雪男が診たので、問題無い筈


……やはり昨日の事を、引き摺っちまってるか



「詠唱騎士なんて…詠唱中は無防備だから、班にお守りしてもらわなきゃならないし?」



おいおい、言い過ぎだろ。何ムキになってんだ?



「ただのお荷物じゃない!」

「なんやとお…!?」



…あぁ、やっぱこうなったか…お前ら…

っておぉぃ、勝呂!頭に血が上ったって、男が女に手ぇ上げんな!

てかその距離だと燐に飛び火する!!



『燐!伏せっ!!』

「へっ!?お、おぅ!!」



スパカン! ポコン



『二人共、いい加減にしやがれっ!!』


「……どこから出したん、あのハリセン?つか音、違ってる様な…」



はい、志摩。お前のツッコミはスルーさせて貰う

んで。夜の旧男子寮



「皆さん。少しは反省しましたか?」

「な、なんで俺らまで…」



連帯責任で全員、囀石の刑。因みに俺は免除



「つ、つか…なんで刹さんだけ、免除なんですか?」

「彼女は騒ぎを止めてくれましたから、特別功労賞として今回は免除です」



しかし…本当に大丈夫か?雪男の説法が始まったよ

…祓魔師は複数で闘うのは、お互いを補う他に理由がある


祓魔師の【悪魔堕ち】を防ぐ為だ


この職業は特殊故に、人材不足。その上任務は大なり小なり、鬱憤やストレスが溜まり易い

そこに悪魔達は漬け込んでくる…だから必ず、複数で任務をこなすんだ


つか単独で任務をする奴なんざ、精神が強靭じゃねぇとまず出来ねぇ

俺の知りうる限りじゃ、世界でも指折る程度しか居ない筈



「3時間…鬼か…!」



あ。思考に浸ってたら、何時の間にか雪男居ねぇし

…囀石三時間はキツいぞ…


ってオイ。また言い争って…お前等本当に、懲りねぇな



『…お前等、いい加減にしろよ。もっかいハリセン食らいたいか?』

「「ゔっ…」」



ハリセン効果は抜群だ

いきなり二人とも口を閉ざしたわ


刹那、部屋の明かりが急に消えた



「ぎゃああ」

「何だっ!?」



急な状況に皆、周囲を見渡す

志摩が部屋の扉を開けた瞬間、空気が凍る



「……なんや、寝不足やろか?」



引き攣った志摩の笑みの目の前に、突然扉の外から腕らしきものが飛び出てきた

扉から微かに匂う、腐臭



『こりゃ、冗談でも夢でもなさそうだ』



園児と先生


(さて、始まった)
(お前等、喧嘩してる場合じゃねぇぞ)

11.09.17.


[] [top]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -