11:節度しな

「所で。お前は合宿どうするのだ?」

『…生徒として参加しろ、って道化が…』

「…まぁ…今の外見で、刹の素性が露見する事は無いが」

『俺は何とかするとして、そっちはやり過ぎんなよ?』

「…善処する…」

『…おいコラ…こっち見て言えや』



これが合宿前日の会話

しかし…本当に大丈夫かね、今年の塾生は



■■■■■



「…はい、終了。プリントを裏にして、回して下さい」



所変わって、正十字学園男子寮の一室

訓練生一同がプリントと格闘中だった



「因みに明日は6時起床。登校するまでの時間、答案の質疑応答をやります」



……雪男、強くなったな。ある意味で

お。女子達が風呂に向かったわ



「うはは。女子風呂か〜ええなぁ〜」



おい、コラ待て。志摩、現状見えてねぇな?



「こら覗いとかな、あかんのやないんですかね」

「志摩!お前、仮にも坊主やろ!!」

「また志摩さんの悪い癖や」



…志摩、お前…八百造さんにこっぴどくしかられた方が、良いんじゃね?



「そんなん言うて、2人共興味あるくせに〜」

「…一応ここに、教師がいるのをお忘れなく」



雪男だけじゃねぇぞ

ここに女がいるのを、志摩はぜってぇ忘れてんな



「教師言うたかて、アンタ高1やろ?ムリしなさんな」

「僕は無謀な冒険はしない主義なんで」



ピピーッ


甲高い音が部屋に響く



『志摩、イエローカード。てかそういう会話は、男のみでしろ』

「…刹さん、いらっしゃったん?」



目を見開いてる志摩、本気で気付いてなかったんかい

因みに音の出所は、俺が持ち込んだホイッスル


…まさか本当に使うとはな…



『さっきから居たわ、ボケ。イエローカード3枚になったら、虫風呂の刑だ』

「ひぃぃぃっ!!そ、それだけは勘弁っ!!」



俺の言葉を聞くなり、志摩の顔色は青ざめる

…志摩の虫嫌いも相当だな



「刹さん。志摩はんが虫嫌いって、よく知ってましたね?」



感心する様に三輪が、目を瞬かせてた



『あぁ。昨日祓魔塾の入口前で、固まってたから』

「………志摩」



心底呆れた様に、勝呂は志摩を見やる

するとその志摩が半泣きで、俺に訴えてきた



「刹さん〜堪忍や…」

『節度しな…』

「…なんや刹さん、お姉はんみたいや」



皆のお姉さん



(…手間の掛かる、弟妹達が増えた気がする…)
(同時に感じ慣れた気配が)

11.09.15.

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