「刹。そういえば、誕生日はいつなのだ?」

『誕生日?知らん』

「………………は?」



彼女を引き取って、1年が経つ

だがその1年の中で、誕生日のたの字も聞いてないのに気付いた


そこで問うた所、この返答

…誕生日を、知らないだと?



『俺、両親いないから。孤児』



………重要な事を、サラリと告げたな。しかもノーリアクションで



『だからさ。生まれた正確な日付を知らんの』



苦笑する刹に、衝撃を覚える

何故笑えられる?何故…



『誕生日知らんでも生きとるし、不都合は無い』



確かに知らなくとも生きて行けるが、誕生日を祝う事を知らないのか…



「祝った事は、無いのか?」

『んー…爺っちゃんは祝ってくれたな』

「爺っちゃん?……あぁ、以前言っていた方だな…」



彼女の住んでいた所に、興味深く。度々俺は質問を投げ掛けていた

それに刹は気軽に答えてくれていたが…



「祝ってくれた日付は分かるか?」

『ん?十月十日。っても俺のダチの誕生日で、一緒に祝って貰ってた』



10月10日、か……しかし刹自身の誕生日ではないからな

ふむ、どうするか…

そういえば…もうすぐ刹と会った日ではないか?ならば…



『…ネイガウス、さん?』

「………誕生日パーティーをするぞ!!」



刹と出会った日を、誕生日にすれば良い

とにかく刹に生まれた日を祝うという事を、理解させなければ!!



『……はいぃ!?』



おめでとう


「どうした?」
『……何でもない』
「(フッ…照れておるな、耳まで真っ赤だぞ)」

(生まれてきてくれて、ありがとう)


>夢主が夏生まれか秋生まれか迷い、夏
実はネタバレ寸前だったりする←

12.03.12.

mae tugi


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