『……こっちにも、あったんか。このイベント』



カレンダーを見て、目を瞬かせた

この時期は……思い出したくねー記憶しかない…


とりあえず…



『買い出しに、行くか』



財布を持ち、部屋を後にする

自室のカレンダーのとある日に、赤丸を付けて



■■■■■



「「ねぇちゃ!!」」

『ぐはっ!!』



久々の修道院来訪

入り口に燐と雪男に突撃された……君達ね…



「……相変わらずだな」

「つかもう、恒例行事だな」



俺とネイガウスさんが来る度に、二人はこうして抱き付いてくる

っても。大概俺に向かってくるんだが、割合も六割と多めで



『どぞ。皆さんでお食べ下さい』

「おぉ!そういや今日はバレンタインか!!」



リビングに通された後、獅朗さんに紙袋を渡す

中身は甘さ控えめの、チョコブラウニー

燐と雪男には、小さめのミルクチョコ…虫歯になられるのは困るし…



『燐、雪。食べたらちゃーんと、歯を磨くんだよ?』

「「はーい!!」」



……………分かっとるのか?ちと不安だな



「悪いな、本当」

『いえいえ』



しかし妙にネイガウスさんが静かだ

…何かあったか?



「(な、なぁ…刹。ネイガウスがちと怖ぇんだが…)」

『(そーいや…いつになく不機嫌ですね…)』



眉間の皺がかーなり、酷い事になってる

思わず獅朗さんが身震いして俺に耳打ちするが、俺も理由は知らんよ


甘いモノ、苦手なのか?



「「おいしー!!」」

「そっかー、良かったな!ネイガウス、お前良いなぁ」

「………何がですか?」



今、返事に間があった!確実にあったよね!?

しかも声のトーン、めっちゃ低っ!


獅朗さん引いてるよ!引いてるから!!



「だ、だってよ?刹は料理は上手いは、お菓子作りは上手いは…いつも刹の上手い飯食ってんだろぉ?」

「………お菓子は、食べた事ありませぬな」



……………………………


あれ?

ネイガウスさんが不機嫌な理由って…もしかして…



「(刹、ネイガウスにチョコ渡したか?)」

『(まだです)』

「(なるへそ…)」



仏頂面のネイガウスさんに、獅朗さんは俺に再び呟いた


「(ありゃかーなり、楽しみにしてたっぽいぞ?早よ渡してやれ)」

『(…そうしますわ)』



おとめのひ


『ネイガウスさん。どぞお納め下さい』
「……………頂こう」
『(やっぱチョコ貰えなくて拗ねてたんだ…可愛いー)』

(思いを伝えよう)

>料理上手な夢主なので、密かに楽しみにしてたネイガウスさんだったり


12.02.14.

mae tugi


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