「…ぅぅ…」
「どうだ?下がったか?」
『全然』
久々の修道院来訪
燐はこれに歓喜したのだが、雪男の様子が可笑しかった
目は虚ろ、頬が赤く染まり、息は乱れている
それに胸騒ぎを感じた俺は、雪男の熱を計ってみると……39度を軽く越えた
「風邪、なのか?」
『…恐らくね、最近寒暖差が激しかったから』
そこで言葉を切り、ネイガウスさんが持って来てくれた水枕を受け取り
雪男の水枕を取り替えた
『我慢してたみたいだから、ちと悪化しとる』
「雪男にも困ったものだ…」
どうも雪男は引っ込み思案で、我慢する癖がある
多分義父の反面教師の影響だと思うんだが
『とにかく、雪男は任せて。ネイガウスさんは燐をお願い、何をしでかすか…』
その瞬間
何かが割れる音が、リビングから聞こえた
…………………………………
「行ってくる、雪男を頼む」
『了解、燐をお願い』
かんびょう
『燐?いい加減、離れてくれないかなー?』
「ヤダッ!」
「…雪男、離してくれ」
「いやです!」
『「(寂しかったのか…)」』
(人肌が恋しい)
>奥村兄弟は二人が大好きなのです
11.11.14.
mae tugi