「……何故、こうなった?」

『苦情なら獅朗さんに。つかそんなに"二人"を悲しませたいの?』

「ゔっ゙……」



俺達が居るのは、奥村兄弟が通う幼稚園

本日は奥村兄弟の父兄参観日である


何故俺達がここに居るかと言うと…強制的に任務を入れられた、獅朗さんの代理である


あの獅朗さんが必死に懇願して来てきたし、何より奥村兄弟を悲しませたくない

俺達は、彼の願いを渋々受け入れたのだが…



『……視線が痛いねぇ』

「何も"その姿"で、来る事はなかろうに」



父兄観覧席の周囲から、俺達に視線が集まる事、集まる事

ネイガウスさんと俺、父兄観覧席で目立つからなぁ



『いやいや。可笑しいから』



ネイガウスさんの眼帯は医療用に変えてある…それでも視線が集まるって事は、原因は俺にもあるか

そういや…なにやんだ?



『つか。今日の内容、知ってる?』

「刹も知らんのか?」



………獅朗さん、肝心な事を言い忘れてやがる



「はーい!じゃあ、今日は昨日書いた絵を見せてください」



先生の言葉に、ちみっこ達は元気よく返事を返す……絵?



「燐くんは、何を書いたのかな?」

「父さんとねーちゃんとにーちゃん!!」



あぁ…もしかしなくても、親を描いたのか?

つか俺とネイガウスさんも描いたんかい!?



「えーと……ゆ、雪男くんは何を描いたのかな?」



ほれ見ろ。知らない先生、戸惑ってんじゃねーか

………まさか、な



「はい!お父さんとおにいさんとおねえさんです!!」

「え?雪男くんも?」



やっばり…



「二人にお兄さんとお姉さんは、いないはずじゃ…」

「いるよ!」

「きょう、来てくれました!」



二人共、こっち見るなぁぁ!!



「え…と…お兄さん、とお姉さん、ですか?」



戸惑いながら先生が問う

同時に俺達へ、一斉に視線が集中する



『二人には、そう呼ばれています』

「彼等の血縁者ではありませぬ故…」

「は、はぁ…」



ふけい さんかん

「どうも、先生」
「藤本さん、お迎えですね。先日のお二人は?」
「二人?父兄参観に来た?」
「ええ。とてもお似合いのご夫婦、って皆さんで噂してたんですよ」
「は、はぁ(お似合い?)」

(いつか見れる姿)


>後日、意味が分かります←

11.11.26.

mae tugi


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