「にぃに、おかいもの?」



事務用品が切れちまった
仕方なく買い出しに行こうとすると、かなでが期待の眼差しで見やがる



「……行くか?」

「いくー!」



すげぇはしゃぎ様だな
だが俺はこの判断を、後に後悔する事になる


■■■


「…揃ったな」

「にぃに。あれ、なぁに?」



無事買い出しも終わり、後は帰るだけという時。かなでは俺の服の裾を引っ張りながら、何かを指差す。その先にあったのは…



「…………クレープ屋」

「くれぇぷ?」



待て、クレープ知らないのか?
唯は食事に気をつかうヤツなんだが。そういや…かなではあんまり甘いの食わねぇな。おやつもアイツが作ったのを持参してる



「かなでは甘いの嫌いか?」

「ううん、だいすき!ママのおかし、おいしーよ!!」



読めた
かなでは唯の作る甘味しか知らねぇんだな。恐らく後々の事を先読みした、唯の教育方針だろうが…知識は与えろや、知識は



「にぃに。くれぇぷ、あまいの?」

「あ?あぁ…」

「たべたい!」



並べと言うか
女子高生でごった返す、あの屋台に俺が並べと?しかしここで断ると、かなでは泣きじゃくるだろう………唯の説教、覚悟するか…



「…………一緒に並ぶぞ」

「あい!」



狼と兎と甘味


「くれぇぷ、ください!」
「はー…………いぃぃ!?」
「(早く帰りてぇ…)」


―――――
娘に甘いパパ(笑)
後に娘が夢主に喋り、四代目は怒られたり

11.09.14.
11.09.18.移転

mae tugi


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