かなでを四代目に預けてから私は、とある地へ足を運んだ



『久々やな…しかし、相も変わらず暑っいわぁ』



正直二度と来ないと思っていた
だが私はかなでを守らなければならない、例えどんな報いを受けようと


懐かしき蒸し暑さに目を細める
これはこの地方独特の地形からだ

駅から出て辺りを見渡すと、やはり数年で見違えた…浦島太郎の気分



「お、きおったな」



黄金色の鶏冠が視界に入る
何時もと変わりない、平坂錬次の姿がそこにあった

コイツとの腐れ縁も、長いもんになったもんだな



『出迎えご苦労はん、錬次』

「余裕綽々やなぁ…かなでちゃんはどうしたん?」

『四代目に問答無用で預けてきた』



首を傾げながら問う錬次に、溜め息を漏らしながら言葉を紡ぐ

すると錬次は頬を引き攣らせ、どこか青白い顔色になった



「まさか…何も言うてへんの?」

『言える訳ないやろ?』



お前、何寝惚けた事を
抱えた問題がどんだけデカくて厄介か、お前も承知の筈だろう?



「……………」

『無言は肯定と取るで。今は現状打破が優先や、どないなっとる?』

「良いとは言えへんな、唯の予想してる感じや」

『…そんな事やと思うてたわ』



昔から阿呆や、と思ってたあの連中に嘆息しか出てけぇへん

呆れたもんや
大の大人が寄って掛かって…恥ずかしゅうないんかいな?



「どないする?」

『徹底抗戦に決まっとる』



その為に何も告げんと四代目にかなで、預けてきたんや

今回で全て仕舞いにしたるわ



『手伝い、錬次』

「はいな、りょーかい」




女豹の決意と戦い


かなで、お母さん頑張るさかい

にぃにの言う事聞いて、良い子で待っとってな?


13.04.11.

mae tugi


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