「じんぐるべーる、じんぐるべーるっ!」

「………はぁ」



12月
世間はクリスマスに染まり、浮き足立ってやがる

そして俺の眼前にも一人、満面の笑みを浮かべるヤツが



「にぃに!くりすます、楽しみだね!」

「…クリスマス、な」



そう、かなでだ

俺自身、クリスマスには全く興味は無かったんだが…かなでに涙声で懇願されてしまい、渋々折れた…



「ママ。ごちそー、いーっぱいつくってくれるって!」

「分かったから落ち着け」



かなでの幼稚園のクリスマス会とやらに、強制参加された後に唯の自宅へと向かう

強制参加は十中八九、唯が仕組んだんだろう…あのアマ…



「サンタさん、はやくこないかな〜」

「………サンタさん、か」



かなではまだ信じてんのか…しかし唯も教えてねぇのか?

教えて泣かれても困るしな、ここは話を合わせるに限る



「…来ると良いな」

「くるよ!」



オイ、即答かよ

つかやけに自信ありげに言うな…



「だってサンタさん、ママだもん」

「……………そ、そうか」



無性に、今無性に

かなでの将来が不安になって来た…俺達の影響か?



「にぃに!はやくいこ!ママのケーキ、いっしょにたべるの!」



まぁ、なんとかなるか

この満面の笑みが、消えなければな



「分かったから、引っ張るな」



兎と狼と聖夜


(にぃにとママが、パパとママみたい!)
(ぼく、いちばんうれしい!)

―――
あ、夢主出てない…


11.12.29.

mae tugi


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