「あれ?変わったお客さんだね」

「う?」



――…それは遡る事、数年前



「おなまえ、言える?お兄さんはヒロっていうんだ」

「かなで!」

「かなでちゃんていうんだー……マスター、どういう事?」



いつもの様にはなまるに来ると、見馴れない女の子がカウンターに座っていた

くりっとした、大きくて可愛い瞳を見て、将来が楽しみだと瞬間的に思ったのは…伏せておこう


しかし
何故こんな小さな女の子が、はなまるにいるんだろう?しかも1人で



「ああ、その子は常連の子供さ。ちと会社から急な連絡があってな、今席外してんだよ」

「ああ、なるほど」



かなでちゃんの小脇には、大人の女性が使いそうな革の鞄がある

マスターの言葉に納得してると、服の裾が引っ張られた



「にぃに、あそんで」

「…………え"っ!?」



ちょ、待って!
俺はかなでちゃんと遊ぶ様なスキルを持ち合わせてないよっ!?

ど、ど、どうしようっ!?



「マ、マスター!?」

「母親が戻るまでで良いから相手してやってくれよ。私は手離せないんだ」



う"…マスターに言われたら断れない…というか、かなでちゃんの期待の眼差しが…

仕方ない、か…



「……えーと…何であそぶ?」

「おえかき!」



ああ、それなら俺でも大丈夫だ

かなでちゃんがお絵かき帳に絵…らしきものを描くのを、俺が少し手伝うだけ


……あれ?かなでちゃんが描いている絵、どっかで見た様な…



「かなでちゃん、だれ描いてるの?」

「しろいにぃに!」



兎と狐

「(…四代目に見えるのは気のせいかな?)」

『(何してんだ?)』


―――――
過去編、ヒロとの出会い
この後ヒロは夢主を口説きます(笑)

11.11.27.

mae tugi


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