07

「名前ー!」
「何?なんかない?」
「みゃーさむと連絡取ってるってマジ!?」
「とってるよ、いい子だよ。宮治くん」

夏真っ盛り、烏野高校が混ざって5校での夏合宿、
それこそ烏野相手に勝利し次の試合の準備をしていた時のこと。
どうやら木兎が誰からか私が宮治くんと連絡をとっていることを聞いたらしい。
もちろんマネージャーとしてこちらの話はあまりしない。しても練習で木兎がしょぼくれたとかである。
相手である宮治くんも双子の片割れである宮侑くんとの喧嘩やMBの角名倫太郎くんの笑い方がおかしい話をされただけで練習内容を色濃く話すことはない。
彼の笑い方がオッホホなのはいずれ聞いてみたいけれど。

「めずらしーよな!名前が他校のやつと連絡してんの!」
「くろーくんとかはしてるじゃん。」
「グループ外ってことだろ、木兎」
「そうです!」

まぁ、率直な意見としてお顔立ちがいい子に声かけられて嬉しくない女の子なんていないじゃないですか。しかもわりとご飯もぐもぐ食べてる時に。
私は周りの女の子たちより全然食べる。
ご飯が大好きで一番好きなのはおにぎり。
ぺろりと平らげるし、雪絵も食べるけど私も引けを取らないし、バレー部男子と一緒に色々食べちゃうくらいだ。
それを引きもせず声をかけてきてくれたことに普通に喜んでいるのは確かである。

「こいつ、めっちゃ飯食ってる時に声かけてもらって喜んでんだよ。あれいつも他に引かれてるから」
「うるさい木葉。うれしかったもん。いいじゃんべつに〜」
「あー、みんなで名前いじめてるー、かわいそ〜おいで名前〜」
「かおり〜」

木葉たちがいじめる〜と泣きつけばひどいねぇと雪絵もノってくれる。優しい二人だ。
夕飯や朝ごはんでいつも通りご飯を食べていればいつも会うメンバーはまた、くってるよ、くらいなものでなんならこれもやるといってくれる人すらいるのだ。
しかし今回からは烏野高校の方々も参加しており私のたべっぷりにみんなが驚いていた。
あの反応が普通なのだ。
でも宮治くんはわたしが食べているところで声をかけてきてくれた。
そんなに食べていなかったからだろうか。わからないけど。

「大会でしか会ってないのに、あんだけもの色々食べてるのにそれみて普通に何食べてるのか聞かれたのははじめてだったなぁ」
「あの子もよく食べるのかな?」
「まぁ人並みよりは食べるんじゃない?さ、次のコートいこ」


そのあと宮治くんから連絡が入ってて、旅行の3日目であれば部活もないし、昼から暇なんでそこで飯食いに行きましょう!との連絡だった。
まぁ、もしこれで引かれれば少し悲しいけどまぁそれが普通だよなと思ってしまうだけで、何も言われなかったらこの人は優しい人なんだなぁっと思うだけ、


「おーい、名前ちゃーん!このあと音駒のマネ手伝いしてくれよ!たんねぇんだ」
「いいよ〜。くろーくん、そしたらこれ持って、あっちのコートでしょ?」
「助かるわ、おい、研磨死んでねぇか」
「溶けそう」
「研磨くん、人は溶けないよ〜」


いつも合宿も楽しいが今年の夏はさらに楽しいことも増え早く旅行の日にならないかと思う。
なんてったって、宮治くんが美味しいご飯処に連れてってくれると書いてあったのだ。


「どう言うご飯に行くのかな」
「まぁた、飯のことか。ほんとよく食うねェ」
「おにぎりは別腹だよ」


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