06

IHが終わり、夏休み。
「あかん、どうしたらええん。これ」
「しらねぇよ」

試合が終わった次の日にはすでに兵庫、その日はゆっくり休み次の日からは再び部活に明け暮れる。

名前さんもすでに部活をしているそうで、明日からは梟谷学園グループでの合宿があるそうだ。

「なんでうちは参加できひんねん…」
「それはここが稲荷崎やからや、ほれ治。サーブすんで」
「ウィッス」

夏の蒸し暑い体育館、マネージャーがいる部活はどういうものだろうか?
名前さんがいる部活はどうだろうか?
とういうかなぜ名前さんがここにいてくれないのか。サーブを打ちながらぼーっと考えていれば特大ホームラン。やってもうたなー集中せな。と思う。
ツムから怒号が飛び口喧嘩が始まる。
そこに北さんが仲裁に入り正論パンチをくらって静かになる。
そしてまた練習を再開する。


「昼休憩すんで。13:30まで!」

監督の声に皆がそれぞれ答える。
俺も答えて、飯を食う。
食べながら、ツムや銀、角名と春高に向けての話をする。
ブーとケータイが連続して鳴り続ける。
画面を開けば名前さんからであった。


「もしもし!」
『あ、宮治くん?今平気?』
「大丈夫!今休憩中でめし食うてる!」
『あはは!私らもお昼休憩してる。あ、でね』


話の内容は直訳するとこうだ。
家族旅行で関西に行く。日程が合えば稲荷崎の方まで行けるはずだからご飯でも食べよう。

「行く!いつなん?あけるわ!」
『あ、本当?よかったぁ。8月の終わりの平日だったはずだから、連絡するね。ありがとう』


じゃあまたね。急にごめんね、練習頑張って。
そう言われて電話を切るれば周りにはニタニタとした3人組。深く追及される前にと思ったが逃げられるわけもなく呆気なく根掘り葉掘り聞かれた。


日程表を開き、ラインに連絡がくるのを今か今かと待ち侘びる。
トーク画面の最後には電話をした受話器のマークと時間が相手からされてきたことを示して表示されていて、遠距離やとこう言うことも楽しいのかとおもった。


その日のその後の練習はやたら調子が良くサービスエースもツムより多く決まった。

勝負も仕掛けられたが圧勝で終わり気持ちがいい。
ツムには帰り道にホットスナックを買ってもらうときめ再びスパイク練を打ち込む。

思ってもいないところで彼女と会えると言う事実がとても嬉しく、心躍る。

「はよう、連絡こんかなぁ」
「治、ほんと調子がいいよね。」
「うっさいで角名。ええねん。こう言う時に行かんとまたすぐ会えんくなるんなから!」
「はいはい」


ああ、早く8月の末になってほしい。

連絡が来るまでずっとそわそわさしつづけ、その日の夜来た連絡をみて予定表と睨めっこして予定を組んだ。
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