03

「うーん、どれがいいかな。どれが美味しいかな、ねぇ、木葉。」
「しらねぇよ…てかそのジャージ誰のだ。」
「赤葦!」

昨日の声がしたのでそちらを振り向けば梟谷の選手と一緒に昨日と同じ売店を見ていた。

「あれ、宮治くんだ」
「ちわっす。なんか買いはるんですか?」
「試合の前におにぎり〜私今日客席からだから食べながら応援しようと思って宮治くんは?」
「名前さんの声が聞こえたんで、きてみました」

わー、ひとたらしだー!ね、木葉!と隣の部員に声をかけていたが、お前いつの間に宮治と知り合ったんだよと会話を繰り広げていた。

「木葉おこんなよー。昨日声かけてくれてね、連絡先交換した!」
「またナンパされたんかお前」

「名前さん、この後俺試合なんすわ」
「あら、もう行かなきゃじゃん。先買う?」
「いや、ちゃうくて、俺の応援もしてくれませんか?」
「稲荷崎の?試合で当たらなければいいよ!」
「宮治が少し不遇だぞ、お前…俺のっていう単体の話だったぞ」

疑問視を頭に浮かべた名前さんを見つつ、後ろでツムの声がして、試合の始まる準備をするというこえかけだった。失礼しますと挨拶し、相手さんは当たっても負けないからねぇ!と名前さんはいっていた。


「なんや、サム。また昨日の話ししてた人んとこか」
「たまたまおってん、部員とおったわ」
「彼氏やったりしてな」
「やめろや」

まぁ一概に彼氏ではないと断言できる話ではないが違うと信じたい。ジャージが少し大きめのもので部員が誰のだと問い詰め赤葦と言っていたが横にいた部員の名前は木葉と言っていたから違うだろう。

ちらっと後ろを振り返れば名前さんが手を振ってくれていて、振り返せば宮治くん、がんばれー!とケータイに連絡が入った。

「おい、ツム、今日も俺にボール寄越せや。」
「あ?なんや急にそら最善と思ったら出すわ」

たった1行分の応援でやる気が120%まで持ち上がっているので、今日の試合も勝てる気しかせん。

「絶対勝ったるわ」
「?あたりまえやろがい」


その後の試合も勝ち進み、無事準決勝へと駒を進めた。
梟谷学園は今日の試合で負け、ベスト8になったのをトーナメント表で見た。


「あらら、負けちゃったんだね、治の気になってる人いるとこ」
「おん、明日も会いたかったわ…」
「誰に?」

「名前さんに決まっとるやろ」
「ねぇ、治」
「私明日も来るよ?夏休みだし」

「え?」「赤葦と、雪絵と3人でくる予定〜」

「え、聞いて、」「うん?明日も会えるね!」
「手強いやつか」

角名がこのたった数分で彼女の天然っけを見破り
かわいそうだと言う顔をされた。

「明日の応援は頑張るね!角名倫太郎くんもがんばってね!」
「あ、はぁ」

じゃあね!と手をふりその場を立ち去った彼女を部と合流するところまでを見守った。

「まぁ、がんばれよ」
「おん」

角名に応援され、明日の気合いを入れる。
てか、赤葦って名前さんがジャージ着てたやつの持ち主やないかと気づきこのあとホテルに戻ったときにパンフレットでその赤葦という男がなってないかを探すと言う任務が新しく追加された。
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