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あれは2年の夏のインターハイ二日目のこと。

「ん〜、これもおいしいよ。ねぇ雪絵」
「うん、おいしいねぇ」
「あんたら、ほんとよく食べるね」
「かおりも食べなよ、おいしいよ」

2回戦も勝ち進み、後もう今日は帰るだけというのにどうにもこうにも腹が減り少しだけもらった自由時間で売店に少し食べ物はないかと見にむかった。

多分、梟谷学園のマネージャーさん。
まぁ、学校ジャージにFUKURODANIと大きく書かれているから間違いないだろう。
美味しそうに売店で販売していたであろうおにぎりを頬張りにこにことする人。
ふわっとしたボブのグレージュの髪、周りより少し小さな身長、それはちょっとの好奇心。

「あの、ちょっとええですか?」
「はぁい」
「連絡先、きいてもええですか」
「ええですよ〜」

美味しそうに食べる、彼女のことが知りたくて、
のんびりと答えるこの人はどんな顔をしてくれるのか知りたくて声をかけた。

「宮治です」
「しってるよ、稲荷崎の双子くん。WSの方かな?苗字名前です。」
「よくわかりましたね。」「セッターくんのがもっと高圧的な感じするきがするんだよねぇ、あ、集合だ。じゃあね、宮治くん」
「あ、ほな」


マネージャーさん達は教員の掛け声で部員のいる方へとむかい、俺も自分のチームメイトがいる方へと向かった。

「ん?なんや、サムゆっるい顔して」
「妖精さんみたいな、天使みたいな人がおってん」
「はぁ?何言っとんじゃ」

少し後方を見つめればまだ彼女が居た。
部員の中でケタケタと笑っていた。

「かわええなぁ」
「なんや、まじで、頭打ったか?」
「ええ加減にせんとどつくぞツム」



魔の3日目、あしたは過酷になるとよく聞くが
今俺はすこぶる調子がいい気がした。
明日もできれば彼女と会いたい。
試合終わったらまた売店にいるやろうか。
そんなことを考えながらホテルへ戻った。


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