そして、



「オレをこんなにも我慢させた罰だ……」


「ひ……っ」


束ねていたうちの一方の手を掴み、すでに腫れ上がった自身に触れさせた。

その手のひらが覚えた熱さと硬さに、彼女は当然ながら小さな悲鳴を上げてしまう。



「っぁ、はぁ……リゾッ、ト……わ、たし……あんっ」


「拒絶は聞かない。それに、名前もこんなに濡らして……調教の賜だな」


「ちょ、きょ……！？　や、ぁっ、そ、なこと……言わな、で……ッ、ひぁあ！？」


「ふ……そう言っている間にも溢れ出しているじゃあないか」



刹那、陰核を擦り攻め立てていた指が止められ、するりと取り払われる下着。

それをベッドの下へと投げ捨てたリゾットは、名前の手首を先程脱がした薄い生地のズボンで縛り上げ、両足を身体へ密着させるように開脚させる。


視界には、ヒクつく秘部。



「はぁっ、はッ……いや、ぁ」


彼女も自覚しているのだろう。

だが、顔を紅潮させ、息を乱す姿はリゾットにとって欲情誘発剤にしかならない。


いやむしろ、それより性質が悪い。

なぜなら、決して手放せない、手放したくなくなってしまうのだから。



「はぁ、ッごめ、なさ……ぁ、っはぁ、はぁ……んっ」


「……謝罪は賢明だが、何かが変わるわけではないぞ、名前」


「や、っぁああああ！？」



グチュリ、ジュル

ぬるりとしたモノが愛液と絡まりながら、膣口を刺激する。

膝裏を抱えられ、時折思い出したかのように尖核を舌先で弄られ――



「ぁん、あっ……やら、やら、ぁ……っ」


自然と揺蕩う腰。

≪もっともっと≫と実は欲しがりな恋人に、愛液を吸い続ける口元が綻ぶ。

刹那、リゾットは考えつくまま濡れそぼった秘境にふっと息を吹きかけ――



「はぁ、ぁっ……や、あ――――」


声にならない声を上げた名前に、久しぶりの絶頂をもたらした。


一室を支配する婀娜やかな吐息。

ピクリピクリと震える肢体。

トロンとした眼、表情。


何度凝視しても飽きることはない――しばらくその艶めかしい姿に見惚れていた男はハッと我に返り、もはや抵抗はしないだろうと細い両手首の拘束を解く。



「ぁ、んっ、はぁッ……リゾ、ト？」


「名前、四つん這いになれ」


「っ！　……は、い」



拒否はできない。

劣情を現した彼の瞳が、させてくれない。


リゾットがズボンと下着を脱ぎ去り、彼女の方を向けば、自分の言いつけ通り淫靡な格好をした名前が。


「……挿入れるぞ」


「はぁ、はっ……ん……！」


「ッ」



柔らかく丸みを帯びた双丘を掴み、亀頭で蕩けた膣口を捉える。

次の瞬間――


「やっ、ぁああッ！」


「く、ッ……はぁ」


狭さ、肉厚、肉襞。

気を緩めた刹那、それらに意識を持って行かれそうになりながら、彼は最奥を貫き始めた。

そのスピードにジュブリと泡立つ結合部。

溢れ出すのは、どちらのモノかすらわからない液体。



「ぁっ、ぁっ、はぁ……お、く……こすら、な、で……あっ」


首を横へ振り、弱点が攻められることを拒む名前。

しかし、身体は確かに快感を求めて動いているのだ。



「この体位、まさに≪交尾≫のようだな……メスがオスを誘うようにいやらしく腰を振って……」


「や、あんっ……ッいやぁ、はっ、は……いっちゃ、らめぇ！」


「ふ、オレは事実を言ったまでだ」


「ぁああん！？」



身体を支えていた腕が、不意にガクリと落ちる。

すると、彼女の白く華奢な背中に覆い被さり、より挿入を深くするリゾット。

膣壁と性器が擦れ合い、新しい熱を作り出していく。


今回一度も触れられていなかった乳房をパジャマ越しに後ろから揉まれ、名前は喘ぎ、悶絶することしかできない。

そして白む景色の中にふと見えたのは――ある種の終わり。



「ぁ、はぁっ、ああっ……やら、っん、ぁあッ！」


「……ッ、名前、名前……！」


「ひぁ、っああああ……ッ！」



ガクン

全身を突き抜ける甘い痺れと鋭い痙攣に、うつぶせでベッドへ倒れ込む名前。

意識はふわりと微睡み始め、それに導かれるまま彼女は重たい瞼を閉じようとした――が。




「――ぁ、っ！？」


「終わると思ったか？」



腰を元の高さまで持ち上げられたかと思えば、再開される激しい律動。

連続的に部屋に鳴り渡る、肉と肉のぶつかり合う音と嬌声。



「名前……く、ッ」


「はぁ、んっ、やぁああッ……も、しきゅ、はいらな、よぉ……！」




二人の夜は、まだまだ終わらない。











嘘つきガールに誅罰を
与えられるのは≪針千本≫より、耽美で蕩けるモノ。




〜おまけ〜



どこか遠くから鶏の鳴き声が聞こえた頃。

疲労を潤む瞳に滲ませた彼女は、ようやく彼が次々に運んでくる快感から解放されていた。



「……結局、なぜあんな嘘をつこうと思ったんだ？」


「んっ、その、なんというか……ちょっとした、出来心……です」


「ふむ……なるほど。オレはその出来心に我慢を強いられていたというわけだな」



じとりと向けられる視線に、素肌が鮮明に感じ取る滑らかなシーツの中で項垂れる名前。



「う……ほ、本当にごめんね？　でも、これを機に少し控えてほしいな……って、思ったり」


「？　なぜ控える必要がある」


「え！？　だって……ッリゾット、絶倫だし……さっきみたいに……一回一回が、激しい、から……っ」



途切れ途切れになっていく彼女の返答。

それを耳から鼓膜へ、鼓膜から脳へ送った瞬間、ある結論に辿り着いたリゾットは真顔のままその唇を開いた。



「名前。一つ確認したいんだが、いいだろうか」


「うん？　……どうしたの？」


「……オレは今、誘われていると判断していいんだな？」


「は？　あの、話を聞い――」


「すまない。名前のこんなにも可愛いサインに気付かなかったオレはなんてバカなんだ。だが、今からでも遅くないな……そうだろう？　もう一回――」


「ねえ、リゾット」


「ん？」


目をこれでもかと言うほど丸くした恋人を、するりと抱き寄せる男。

そして、腰をいやらしくなで始めた彼の手をすかさず止めながら、名前は身体を重ねすぎたせいで枯れてしまった喉を気遣うことなく叫んだ。



「歪曲した解釈、ダメ、ゼッタイ！！！」



――しばらくの間、誰かの部屋に泊めてもらおう。うん、ペッシに頼もう。そうしないと……私の身が持たないよ……！


固い固い決意。

しかし、その思惑は変なところで勘のいい恋人によってあっさりとバレ、当然ながら阻まれてしまったらしい。











お待たせいたしました！
まだ生理だと言うヒロインの嘘を見破り、我慢に我慢を重ねていたリーダーが襲う裏でした。
くり様、リクエストありがとうございました！
管理人の書くリーダーはなぜこうも、自分の欲に忠実なんでしょうか……ですが、気に入っていただけると幸いです。


感想＆手直しのご希望がございましたら、お願いいたします！
Grazie mille!!
polka