02



ベトベトになってしまった足を離し、四つん這いで腫れ上がったものを晒したイルーゾォへ近寄る。

そして、するりとリボンを外してあげた。



「はい」


「っ、はぁ……はッ……はあ」


「あ、ただし。出すなら何かタオルに――」


「ッ名前……!」


「ひゃ!?」



次の瞬間、座った状態で周りを見渡していた名前のカーディガンとスカートへ飛び散る、白濁液。


あれ、意外と臭わないんだ――と、己の衣服をしばらく呆然と見つめていた彼女は、ハッとして眉を吊り上げた。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


「何、これ……!」


「名前……」


「信じられない……ッお気に入りだったのに!」


「ご、ごめん! ほんとにごめん!」



落ち着きを取り戻していた怒りが、勢いよく再燃する。

さすがに申し訳なさそうに項垂れる彼へちらりと視線を移して、憤怒という感情のまま名前は汚れた服を脱ぎ始めた。


そして――



「わッ」


「……よーくわかった。イルが、虐めてほしいって言うのなら応えたげる」


下着にキャミソールの格好で、彼女は恋人を押し倒した。


鮮やかな衣服の上から覗く白く豊満な谷間と、ショーツから伸びる滑らかな太腿。

それらにゴクリと息をのめば、冷ややかな嘲笑が向けられる。


「触りたい?」


「(コクコク)」


「……ダーメ。今日は絶対に触らせたげない」



伸びてきた手を弱目に叩き、下着を脱ぎ捨てた。

ひやりと冷たさを感じる秘部。

濡れてしまっていることを自覚しながら、名前はこちらを熱いまなざしで射抜くイルーゾォを見下ろす。



「どうしたの? さっき出したばっかなのに、また腫らして」


「ぁ、っ……!」



赤黒い一物の裏筋をツーとなぞると、小さな悲鳴を上げる彼。

その姿にほくそ笑んだ彼女は、おもむろに己の潤った膣口をひどく熱を持った先に宛がい――



「ん……っ」


「ッく……ぁ、あああ!」



焦らすように遅く、腰を下ろしていく。

グチュリと部屋に響く淫らな音。

ゆっくりだからこそありありと捉えてしまう、肉棒を包み込む名前の柔らかで蠢いた肉襞。



「名前……っ、はぁ、あっ」


「ん、ぁっ……イルの、ビクビクして……あん」


「……くッ、名前……!」



白いシーツに広がる、美しい黒髪。

ほんのりと赤い頬。

途切れることなく響く嬌声。

自分を求める劣情に塗れた瞳。


≪動いてほしい≫と彼が一心に訴えている。



刹那、子宮に疼きを感じた彼女は、≪お仕置き≫の言葉を頭の片隅で捕らえながら、腰を激しく上下し始めた。



「は、っぁ……名前、名前!」


「ぁっ、ぁっ……んッ、こんど、うわきし、たら……ほん、とにゆるさ、っないんだから……んん!」


「ぅッ、く、はぁ……しな、いっ、浮気しな……ぁああッ」


「ッ」



自然と心が覚えたのは、安堵。

結合部から漏れ出す肉がぶつかり合う音に釣られ、鋭さと速さを増す名前の動き。

イルーゾォの腹部に置いていた手に力がこもる。



「名前……ッ名前……オレ、もう……!」


「はぁ、あんっ……まだ、ダメって、ばぁっ……ぁ、ぁああああっ!?」


「くッ、ぅ……!」



ダメって言ったのに――息を切らした彼女が達する原因となった自分のナカで溢れ出すモノを人知れず恨む。

そして、無意識のうちに彼の性器を膣肉で締め付けながら、≪また許してしまった≫と六回目の自己嫌悪に陥る名前であった。










彼女×ド彼氏
離れることは、(互いに)ありえない?




〜おまけ〜



「で、結局浮気の理由はなんなの?」


「え?」



情事後、息絶え絶えの恋人に背を向けたまま、名前はぽつりと聞きたかったことを呟いた。

理由――自分に非があるのはわかっている。


――私って粗雑だし、横暴だし、イルの泣き顔見たらきゅんとしちゃうし……直せるもんなら直したいっての。


イルーゾォと離れたくはない。

かといって、砂糖菓子のように甘くて可愛らしい女の子のように引き留めることもできない。


自責と落胆に布団をぎゅっと握りしめていると、イルーゾォがクスリと笑った。


「……何よ」


「いや……浮気の理由は……特にないけど」


「はあ!?」



ガバリ

一糸まとわぬ姿のまま、起き上がった彼女がようやくこちらを向く。

そのぱちくりしている目に、男はそっと口を開いた。



「ね、名前。知ってる?」


「何が」



名前は、きっと気付いていないのだ。





「シてる最中にさ、オレが≪もう浮気しない≫って言うと、口では疑っているように言葉を吐いてても……嬉しそうに、本当に安心したように名前って笑うんだよ」


「!」


そう、もともとはサバサバした彼女の本音を聞きたい――その想いから始めたことだった。

当然だが、何もやましいことはしていない。



「その表情がさ、すげえ好き」


自分にはこのドSで強がりで実は意外に甘えん坊な女の子――名前だけなのだから。




「〜〜ッ鏡の中でしか強気でいられないくせに……生意気!」


「(可愛いな、ほんと)」



再び自分に背を向け、布団に潜りこんでしまう恋人。

その態度にこっそり口元を緩めながら、イルーゾォはムスッとした彼女を後ろから抱きしめるのだった。




「今度したら、首輪着けてやる(ボソッ)」


「え(……いいかも)」











お待たせいたしました!
浮気したイルーゾォでお仕置き甘裏でした。
ツバサ様、リクエストありがとうございました!
もっと≪ド≫Sにすべきか迷いましたが……精進致します!


感想&手直しのご希望がございましたら、ぜひお願いいたします。
Grazie mille!!
polka



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