第1回



とあるスタジオ。

対峙する二人の男。



ゴゴゴゴゴゴ



メ「良い子のみんな、Buona sera(こんばんは)。オレは……燃える愛欲! 赤の戦士、メローネだッ!(決めポーズ)」


ギ「……Buona sera。俺は凍える禁欲。青の戦士、ギア――」









ギ「……って、なんだよこれはアアアア!?」


メ「ん? 何ってラジオだよ、暗殺チームのラジオでS・A・Radio!!」


ギ「ンなことはわかってんだよッ! 俺が言いてえのはこの文だ! なんなんだよ、≪凍える禁欲≫ってよオオオオ! 俺はなんも禁じても曝け出してもいねえ! この俺をなめてんのか!? クソがッ!(台本を真っ二つに破り)」


メ「ちょっとちょっとー、ここで暴れないでよ。このラジオ、生放送でやってんだからさあ……あ、ちなみに窓越しには≪最近オレたち連載に出てないけど忘れてないよね? 忘れたら……わかってるよね?≫のお二人、ソルベとジェラートがいまーす!」


ギ「…………チッ。アイツらはこのラジオのディレクター兼プロデューサーだ(棒読み)」


メ「なあ、ギアッチョ」


ギ「……なんだよ、変態」




メ「あんたテンション低すぎるよ〜!」


ギ「……」


メ「ほらほら、上げていこうぜ! はい、名前の可愛い写真! このあどけない顔とかさあ、イイだろ? なッ?」


ギ「(ブチッ)テメーが高すぎんだろうがアアアアッ! ホワイト・アルバム!」


メ「あっ、ベネ……!」





――しばらくお待ちください――





メ「いやー、ベリッシモ良好な攻撃だったよ……いつもよりイイというか……なんでだろ。今日の天気が快晴で湿度もイイから?(恍惚)」


ギ「(無視)……つーわけで、質問の回答に移る」


メ「あれっ? 無視? まあ、いいや……みんな、質問グラッツェ! 本当に感謝してるよ! せっかくだからさ、オレの部屋に来てベイビィならぬ二人の愛の結晶を作ry……おっとっと。隣の天パくんがすっげえ怖い顔で睨んでくるから、どんどん質問に応えて行くね」







メ「まずはー……お。オレかもしくはリーダーにだって」


ギ「テメーかリゾット? どんな質問なんだよ」


メ「えっとねー……『連載ヒロインちゃんのスリーサイズを教えてください。』」


ギ「は?」


メ「んーっ、ベネ! その好奇心や良しッ! 君の素晴らしい発想に対して、しっかりと応えさせてもらうよ! 名前のスリーサイズはねえ……オレの知る限りでは、上から8――」



バキッ


メ「グハッ!」


ギ「テメー……メローネエエエエッ! 人のスリーサイズを勝手に言ってんじゃねえよ! この質問、名前にも直接来てただろうが! どうせなら本人に応えさせろ……!」


メ「なん、だと……!?」


ギ「……何、気持ちワリー顔してんだよ」


メ「いや、これ驚いてる顔だから」


ギ「(驚いてんのかよ……)」


メ「ギアッチョ、お前……自分が言ったこと、理解してる?」


ギ「はア? はっきり言いやがれ!」


メ「ほーう、じゃあそうさせてもらうぜ! ギアッチョ……お前は今、名前に自分のスリーサイズを吐かせようとするといった羞恥プレーを強いようとしているッ!」








ギ「なッ!?(見る見るうちに赤面)」


メ「ふふ、わかってきたかい? わかってきただろう! 意外にマニアックなプレーを好むんだな! それとも、なんだい? 相手が名前だからか? 名前だかryガフッ」


ギ「うるっせエエエエエ! 〜〜っ次だッ! 次! 次の質問出しやがれ、クソが!」





メ「まったく、ワガママッチョめ……わかった、次に行こう!」


ギ「ケッ、テメーがエラそうにすんのは気に入らねえが、進行を優先するぜエエエ……次の質問はなんだよ」


メ「んーっと……あ、ここからはオレたち全員に宛てられた奴だぜ。一つ目は、『疲れやストレスの解消法は?』だって」


ギ「……解消法な……ちなみにメローネ、テメーは。ロクなことがねえと思うが、このラジオの義務として聞いとく」


メ「オレ? オレはねえ……」









メ「読書だよ(真顔)」


ギ「は? 読書だア? テメーにしては珍しくまともな回答じゃねえか……なんの本読んでんだよ」


メ「ん? そりゃあ、エロ本」


ギ「……ア?」


メ「いやあ……昔はさ、SMモノとかジャッポーネのとか適当に漁ってやり過ごしてたんだけど、最近は全ッ然物足りなくて……名前の写真集を自ら生産するぐらいなんだぜ?」


ギ「……アイツの許可は」


メ「…………あは!」






スタジオ中が物理的に凍り付きました。

申し訳ございません。

――しばらくお待ちくださいませ――








ギ「……で、次は俺か」


メ「ギアッチョねえ……お前の場合、いろいろ壊してる時点でそれが解消ほry……ごめん、なんでもない」


ギ「チッ、いちいち手間かけさせんじゃねえよ。こっちは毎回スタンドを装着しようとしてんだ。……で? 解消だったな。俺は……、……」


メ「オレは?」


ギ「……アジトに入り込んだ猫と戯れる」


メ「ね……ッ!」


ギ「あア!?(ギロッ)」


メ「(うわ、羞恥に堪えてる顔だ。弄りたいけどやめとこ)……いや、ベネな解消法だ! オレも確かに、ネコミミをぴくぴくとさせて、恥ずかしそうにシッポを揺らす名前を想像するとすっげえ癒される!」


ギ「……、埒が明かねえ。次行くぞ」









ギ「次は……『誰と任務に行くのが一番いいですか』だってよ」


メ「任務ね。場合によるけど……ギアッチョが(弄りがいがあって)ベネだな」


ギ「……ケッ、お前はその≪変態≫がなくなりさえすりゃあ、一流だろうな」


メ「ちょっと! それはないでしょ! オレから変態を取ったら……ハアハア、ただの≪甘美に熟れたメロン≫になっちゃうから……ハアハア!」


ギ「(なんで息切らしてんだよ、コイツ)……ちなみに俺はやっぱリゾットだな。チームのリーダーなだけはある」


メ「まあ確かにね」


ギ「ただ、よオオ……」


メ「ん?」


ギ「仕事終わった途端、早足で帰ろうとすんのはどうなんだよ……そりゃあ、名前が心配なのはわかんねえこともねえけどなアア」


メ「(わかるんだ……自爆してるのに気付いてないな、ギアッチョの奴)……よし! じゃあ次行こう! これが、オレらにとっては最後の質問だ」


ギ「……早えーな」


メ「おっ、ナニナニ? もしかして、ラジオ終盤で寂しくなった?」


ギ「ケッ、違えよ。読み上げんぞ、質問」


メ「素直じゃないなあ(ニヤニヤ)……ベネ、いいよ」









ギ「『ヒロインちゃんのどこが好きですか? あと、下着の色を教えてくだs((ry』…………だとよ」


メ「みんながみんな、素晴らしい質問をしてくれるね! そうだなあ……まず、名前の瞳にはベリッシモ魅了される! リーダーが、ずっと自分を彼女の目に映していたいっていう気持ちも理解できるね! もちろん性格もベネ! オレたちギャングの世界では≪甘い≫と捉えられるのかもしれないけど、オレはずっと名前にはあの優しさを持っていてもらいたい!」


ギ「(……メローネの奴)」←まともな応えに少し感動


メ「まあ? 強いて言うならすべてをオレ色に染めたいよね!」


ギ「(ア?)」


メ「ハア……あの黒い修道服に全身を隠されているからこそ、身体も心も欲も曝け出させたいというかさ……ハアハア……! 名前から溢れる自然でふわりとした甘い香りも、抱きしめたときにわかる滑らかなくびれも、すぐに真っ赤になる表情も、メイドさんになったときに露わになった黒タイツ越しの脚も! オレは全部好きだぜ!」


ギ「……」


メ「あーッ、名前! リーダーも入れてイイからさ! 三人で愛を育もうじゃ――」


ギ「オイッ! 長い尺取っておきながら、結局そのオチかよ!」


メ「え? んー、そう文句を言われてもねえ……あと! オレの下着の色はと・う・め・い(ハート)! それか、最近は褌も風通しが良くて気に入ってるな」


ギ「(フンドシ……? よくわかんねえが、もうコイツにはツッコミを入れねえ)……そもそも思ったのはよオオオオ」


メ「んん?」


ギ「この質問…………なンで≪好き前提≫になってんだッ!」


メ「えっ!? お前、名前のこと嫌いなワケ!?」


ギ「!? バッ……!」






メ「うわー、そうなんだ……名前、絶対悲しむだろうな〜(ニヨニヨニヨ)」


ギ「〜〜ッき、嫌いってわけじゃねえエエ! ……アイツは」


メ「ふふふ、なんだい? この思春期の味方、メローネお兄さんに言ってごらん?」







ギ「……アイツは、その……騙されやすくてよオオオ、世話がかかるっつーか……」


メ「うんうん」


ギ「お前やプロシュートならともかく、リゾットにまで無意識に騙されやがって……けど」


メ「けど?」


ギ「……特に何かを思って助けたわけじゃねえのに、にこにこ笑いながら≪ありがとうございます≫とか言って……ますます放っておけなくなるっつーか、≪守ってやらねえとな≫と思わされるっつーか、小動物みてえっつーか…………クソッ」


メ「(にやにや)」





ギ「〜〜要するに、あれだッ! 親愛だ、親愛! 表の世界で言う友人だ…………ハッ、これでいいだろ! テメーも、文句はねえよなアアアア!?(いつの間にか立ち上がっているギアッチョ)」


メ「Va bene(もっちろん)! ディモールト・ベネな回答だったよ(親指を上向きに立て)」














メ「と、いうわけで。この第1回S・A・Radioもお別れの時間となってしまいました……改めて、みんなありがとう! ギアッチョ、感想は?」


ギ「……とにかく疲れた。質問に応えんのじゃなくて、テメーと会話すんのがな!」


メ「あはっ、冷たいなー……あ」


ギ「なンだよ」


メ「ギアッチョの名前への想いに圧倒されて忘れてたけどさ、今ここで言うよ!」


ギ「?」





メ「俺はチーム全員の下着を把握している! もちろん名前のも、ギアッチョのも! ギアッチョの下着の色は――グエッ!」


ギ「言わせるかアアアアアッ!」






終わり





〜おまけ〜



メ「あ〜、楽しかった! 次は誰だろ」


ギ「チッ! 知るかよ」


メ「まあみんなには、楽しみにしてもらえると嬉しいよな」


ギ「……、そうだな(フイッ)」


メ「はあああ! さて、と。ギアッチョ、帰ったら何すんの?」


ギ「ゲーム。今日のノルマ達成してねえんだよ」


メ「ふーん……」








メ「オレも、朝に仕掛けてきた動画、ちゃんと見直そうっと! ふっふっふ……名前のお着替え、名前のお着替え〜!」


ギ「!? ……ッメロォォォオオオオネェェエエエエエ!」



本当に終わり



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第1回のご閲覧、本当にありがとうございました!



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